ギレルモ・デル・トロ監督。今、まさに時の人! 少し前にプロモーションで来日、現在発売中のVOGUE JAPAN4月号に掲載されているインタビューもその時に取材したものです。このモノクロポートレイトではわからないのですが、とにかく分厚いメガネのレンズの向こうにキラキラひかるブルーの目がとってもきれいで、ピュアで少年のように魅力的なおじさまでした。デル・トロ監督が大好き!というライターの柴崎里絵子さんがすてきにまとめてくださったインタビューもぜひ誌面にてお読みいただきたいのですが……ここでは、もうちょっとこぼれ話ネタを。あ、この写真のしたに掲載されている義眼をつけた芝生の上の少年(って見辛いですね)。これ、幼き頃のデル・トロ監督です。幼少期から、映画に出てくる半魚人やクリーチャーに触発されて、自身もそんな“クリーチャー”に変身して遊ぶのが好きな風変わりな子どもだったそう。
そして。デル・トロ作品といえば、今回の半魚人もそうですが、欠かせないのが“クリーチャー”。そして、そんなデル・トロ監督がもっとも信頼し、自身の作品での“クリーチャー”役に毎度抜擢するのが、俳優のダグ・ジョーンズさんです。『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人も、『パンズ・ラビリンス』(2006)に登場する迷宮の番人パンもダグさんが演じています。デル・トロ監督の初期作品『ミミック』(1997)にも出演していて、お付き合いは20年以上にも及ぶとか。「言葉を発さない、言葉で感情を表現できないこの役を演じられるのは彼しかいない。彼はその体の動きや瞳で多くの感情を表現するんだ」と監督もダグさんを大絶賛。そんなダグさん、インスタでは学生時代からの恋人だったというワイフとの写真も頻繁にアップする愛妻家です。
これは学生時代のダグさん&ワイフ(当時はまだカノジョ)。ワイフの55歳の誕生日に、この写真をアップして「カレッジ時代のスイートハートがデニーズでシニアメニューを頼んでいい年になったなんて、信じられないよ! ぼくのゴージャスな妻のバースデーを一緒に祝ってね」とラブリーなコメントを添えてダグさんがアップした写真。すてきなご夫婦ですよね。ちなみにダグさんは素顔での俳優業もしていらっしゃいますが、おもに特殊メイクやかぶりものを装着した“クリーチャー”に扮する役が多い方。『ヘルボーイ』やTVシリーズ「スタートレック」などにも出演されています。
さて、突然ですが、ここからは、ライターの柴崎里絵子さんをスペシャルゲスト執筆者?に迎えて、デル・トロ監督のお気に入り東京スポットをご紹介します!
「東京はほかの国の都市にはない独特の鼓動を感じさせる街で、いつも生き生きしているように感じて大好きなんだ」と語る監督が愛する東京スポットとは?
- ジブリ美術館 「東京での理想的な1日を過ごすには、ジブリ美術館ははずせないね」という監督。さすがジブリ映画に造詣が深く、ファンからは「(ギレルモ・デル・)トトロ」の異名をとる監督らしいチョイス!
- 渋谷 「渋谷は世代交代をしながらいつまでも若さを保っている不思議な街。そんな何世代にも渡って渋谷に集う若者たちと、そのファッションを眺めるのはとても興味深い」。監督は30年も前から数えきれないほど東京に遊びに来ている筋金入りの日本ファン。一般的な観光客とはまったく違う、東京の楽しみ方をしているのでした。
3. 代々木公園 「代々木公園が大好きなんだ」。その楽しみ方もやっぱり独特で、「カラスを観察するのさ。鳴き声も好きだし、ゴミ収集車が来ると急に興奮しだすのもいいんだよね」。さらに代々木公園からちょっと足を伸ばして明治神宮まで行けば「日本式の素敵な結婚式を眺めたりできて素晴らしいんだ」。
- 築地魚河岸 早起きをするのが好きだという監督。当然早起きをしたら「築地の魚河岸は行きたいね」。でも朝から生魚とか食べる元気はあるのかしら? なんて思っていると、「築地では色々なお店をのぞきながら和牛を食べたり、ナッツを買ったりしてちょこちょこと買い食いをするんだ」とのこと。監督はとにかく人物ウオッチング、文化観察が大好きなのだ。にしても魚河岸でナッツと和牛って新しすぎる! 恐れいりました(笑)。
- 新宿ゴールデン街 お酒も大好きな監督は、新宿のゴールデン街の常連。「ゴールデン街なんかに行ってちょっとしたバーで、知らない人との会話を楽しめるのも東京の楽しいところだよ」。さらにお酒が進んで、「日本酒を5杯も飲めば今度は会話どころか、歌だって歌えちゃうし(笑)」とカラオケも満喫している模様。さらにレコードバーなどで音楽をたしなむのもお好きなのだとか。
柴崎さん、ご協力ありがとうございます! というわけで、ゴールデン街で、青い瞳の恰幅のよいおじさんが陽気に映画愛を語っていたら、デル・トロ監督の可能性あり!です。