【巨人】若手よ、長嶋さん松井さんの目に留まれ…2・9紅白戦で由伸監督とトリプルチェック

スポーツ報知
16年の宮崎キャンプで、高橋監督(左)と並んで練習を見つめる長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(中)と松井秀喜氏

 巨人は14日、東京・よみうりランド内のG球場内で宮崎キャンプに向けたコーチミーティングを行った。その中で、長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(81)とヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏(43)の豪華共演が実現する2月9日に、紅白戦初戦を設定。由伸監督が冷静に見渡す中で、国民栄誉賞を同時受賞した2人の“相馬眼”も加え、トリプルチェックする。2軍からも招集する中での第1次テストで、新たなスター候補生が発掘されるかもしれない。

 球春到来が、次第に近づいてきた。G球場に、由伸監督をはじめとしたコーチ陣が顔をそろえた。2月1日からの宮崎キャンプに向けたミーティング。大まかな1、2軍の振り分けや練習メニュー、実戦の日取りまでを確認。指揮官は「9日と12日に(紅白戦を)やる予定。若手というか、こちらが『出ろ』という選手は出るというところじゃないかな」と、1軍生き残りをかけた第1次テストの場に設定した。

 特に9日初戦は、レギュラーをつかむ上では重要な一日になる。当日、長嶋巨人軍終身名誉監督が球場に訪れることが決定。同6日からはOBの松井秀喜氏が臨時コーチを務めており、豪華共演が実現する。2人は紅白戦もチェック予定。試合中は捕手後ろのネット越しに陣取り、由伸監督の両脇をミスターとゴジラが挟み、あの懐かしのスリーショットがよみがえるだろう。泣く子も黙る“トリプルチェック”になるもようだ。

 指揮官は冷静に幅広く見渡し、個々の動きを確認する。一方で、長嶋さんと松井氏は新鮮な眼で、別の角度から熱視線を送る。16年キャンプ以来、2年ぶりに訪れるゴジラに対し、由伸監督は「今回、若い選手も1軍のメンバーに入るし、そういったところを見てもらえればいいなと思う。選手たちの刺激になればいいしね」と期待した。

 今季は、若手の力が伸びてこない限り、日本一奪回の夢はかすむ。昨秋の宮崎キャンプでは1日1500スイング以上のノルマを課した。今春も「バッティングコーチはそういうふうに考えていると言っていた」と同じような地獄キャンプを予告。1軍抜てきが有力なドラフト2位・岸田(大阪ガス)、3位・大城(NTT西日本)、4位・北村(亜大)、5位・田中(日立製作所)、6位・若林(JX―ENEOS)の5人も加わり、毎日が振るい落としの対象になる。若手の伸び悩みで昨年は4位に終わった。球団側はレジェンド2人に阿部、坂本勇に続く生え抜き戦力の発掘を期待。国民栄誉賞を同時受賞した2人との意見交換で、その可能性はグッと広がる。

 翌10日にはサンマリン宮崎でジャイアンツ対ホークスOB戦が控えているため、ミスター&ゴジラ以外の大物OBが視察する可能性も十分ある。かつて、長嶋さんがボディータッチなどで目をかけた選手は、必ず飛躍を遂げてきた。松井氏の指導も、技術、精神両面での評判が高い。由伸監督は尊敬する2人の来訪を「選手が何かのきっかけにしてくれれば」と望んでいる。すべては「勝つ! 勝つ! 勝つ!」ためだ。(水井 基博)

 ◆ミスター&ゴジラ近年の主な御前試合での選手の活躍

 ▽長嶋巨人軍終身名誉監督

 16年2月14日の紅白戦で菅野の魔球・ワンシームとキレのある直球を見て「球は速いし、巨人でナンバーワンの球」と絶賛。15年2月15日の紅白戦では5打数2安打1本塁打とした大田(現日本ハム)の活躍に「初球の外角スライダーをフルスイングできたのが何より素晴らしかった」と拍手した。

 ▽松井臨時コーチ

 16年2月12日、岡本は紅白戦で3打数無安打だったが「内容は悪くない」と太鼓判。総括として岡本と紅白戦2戦5安打と活躍した重信に「試合の中で打ちそうな雰囲気があるのはその2人」とコメントした。また、14年2月11日の紅白戦で2打数1安打だった大田に対し「内容は2、3打席目(の併殺打)が良かった。このまま続けていってほしい」と話した。

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