<中日4-0横浜>◇28日◇ナゴヤドーム

 同一カード3連勝だ!

 3位浮上だ!

 中日の4番和田一浩外野手(38)が開幕から12試合、48打席目で待望の今季1号を放ち、先発吉見に初勝利をプレゼントした。4番と右の大黒柱がガッチリとかみ合い3連勝、借金もあっという間に「1」に。きょうから本拠地で広島3連戦。きれいに借金返済と行きましょう。

 4番和田がお目覚めだ。開幕して12試合、実に48打席目の待望の1発だ。横浜の先発小杉に3回まで1安打に抑えられていた。4回2死で一塁に四球の森野を置いた。3球目を左翼席に高々と打ち込んだ。

 和田

 チェンジアップかな。まっすぐのタイミングで待ってたまたま高めの球が来て逃さずに打つことが出来た。試合が重かったので先制できてよかった。

 20打席ぶりの安打が先制弾となった。手に残る久々の快感に浸り、ベンチに戻ると先発吉見とがっちりと握手を交わした。

 6回には昨年の好調時を思わすような内角を右へ打つ二塁打で出塁。ブランコの遊ゴロの間に三塁へ進む好走塁も見せた。

 和田

 (遊撃)石川が待って捕球したからね。一塁に強い送球は出来ないと思って思い切って走った。

 慌てた一塁のハーパーが三塁へ悪送球。足と観察力で追加点をもぎ取った。

 試合前の打撃練習後、落合監督は和田と森野を同時にバッティングケージ後ろに呼び寄せ「即席打撃教室」を約10分間開いた。「いつものように技術的なことを話しただけ」と和田は詳しくは明かさなかったが、身ぶり手ぶりを交えての監督のアドバイスに真剣な表情で聞き入った。

 今季から「3冠打法」とも言える打法改造に取り組んでいる。オープンスタンスからスクエアにし、年齢に応じた負担の少ない打ち方を試行錯誤しながら会得しようとしている。

 和田

 タイミングは徐々に取れてきたが、そんなに簡単なものじゃない。

 昨年のセ・リーグMVPがあえて挑戦する打撃改造。疑問に思う周囲の声があるのも事実。それでも1度やろうと思ったことは簡単にはあきらめないのが4番のプライドだ。波に乗れなかった中日だが同一カード3連勝で3位浮上、借金も「1」に減った。目覚めた4番の1発で竜は逆襲態勢を整えた。【坂祐三】