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リブセンスアナリストが転職ドラフトのデータを分析してみた

2017-10-23 10:00

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はじめに

こんにちは、リブセンスアナリストの高橋です。8/29に公開されました 「転職ドラフトのデータから読み解く。年収800万円以上のエンジニアと年収400万円以下のエンジニアの違いとは?」は、この一年で最大のアクセス数を記録しました(まだご覧になっていない方は是非先にお目通しください)。

この手の話題に対する関心の高さを実感したのですが、その一方で分析内容についてはもう少し手を入れてみたいと思える箇所がありまして、今こうしてこの記事を書いているわけです。

さて、年収アップが全面に出ており何かと華々しいイメージの転職ドラフトですが、その一方で「こういうので指名されるのって一部のすごい人達だけでしょ?」と、ドラフトへの参加を躊躇されている方も多いのではないでしょうか。

そんなことはありません。確かにドラフトにおける指名金額は上位25%が700万円以上とかなり高めなのですが、550万円未満や、550万以上600万円未満での指名もそれぞれ25%ずつあるのです。

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これはいわゆる「スーパーエンジニア」でなくても転職ドラフトで指名が入るということを表しています。極端に経験の少ない場合はさすがに難しいかもしれませんが、ある程度の経験や実績のある方は参加を試してみる価値は十分あるでしょう。実は需要があるのに本人がそれに気づいていないというような状況は、本当に勿体ないことだと思います。そこで今回はどういう人が指名を受けやすいのか、経歴の文章などの定性面も含め探ってみたいと思います。

転職ドラフトの審査通過率ってどれくらい?

転職ドラフトは、アカウント登録すれば誰でも参加できるというものではありません。まずは経歴など入力内容の審査に通る必要があります。無事通過できれば、参加者登録をして後は指名が入るのを待つのみとなります(現在、約2ヶ月に一回のペースで開催されており、回ごとに参加有無を選択できます)。

それではまずは基本的な数値から見てみましょう。なお、一部公開できない数値もございますので、その点はご了承ください。

項目 割合
審査通過率(登録して必要事項入力後、審査を通過した人の割合) 56.5%
指名獲得率(参加した回の中で指名を獲得した人の割合) 62.2%
UU指名獲得率(参加した回のいずれかで指名を獲得した人の割合) 79.6%

この表をご覧になって、「ちょっと審査厳しすぎじゃない!?」と思われた方も多いのではないでしょうか。確かにドラフトへの参加は一定以上のスキル・経験をお持ちの方に限らせていただいております。といっても審査を通過しない理由は情報不足でスキルレベルが判断できない、という場合がほとんどです。

ではどんな情報を書いたら良いのか、についてですが、「何をしたか」だけではなく、どんな問題があったか、どのようにして解決したかなどの背景も記載するようにしましょう。なお、年収評価シート(レジュメ)の提出画面にアドバイスが記載されていますのでそちらを参考にしてみてください。

一方、指名についてですが、1回あたりの獲得率は6割強ですが、何度か挑戦しているとだいたい5人に4人は指名をもらえているようですね。人によっては、一回に十件以上の指名を受けられている方もいるようです。

最新!スキル別指名率と指名年収を公開!

参加者のプロフィールでまず気になるのが「使用技術」です。企業目線で考えても、自社で使われているスキルを習得している人が欲しいと思うのは自然ですので、指名に影響がありそうです。スキルごとの年収の集計結果は前回出ていましたので、今回は指名率や平均指名年収、所持者数も含めて可視化してみたいと思います。

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横軸がスキル所持者を指名時の年収平均値、縦軸がスキル所持者の指名率で、●のサイズはスキルの所持者数(大きい方が多い)を表しています。ドラフト参加者のうち50名以上が使用しているスキルを対象にしています(スキル名の表記の揺れはご容赦ください)。

いかがでしょうか?皆さんが普段使われているスキルはありましたか?。年収にして100万円ほど、指名率にして20%ほどの差がついていますが、この差を大きいと見るか小さいと見るかは判断が分かれるところかもしれません。どのスキルにどれくらいの需要があり、どれくらいのライバルがいるのか、新たなスキルを習得する際の参考になれば幸いです。

果たしてスキルセットだけで指名の有無は予測できるのか?

スキルによって指名率に差が出ていることはわかりましたが、大半の方は複数のスキルを持ち合わせています。それではスキルの組み合わせ(以降、スキルセットと呼びます)をもとに、指名の有無が予測できるかどうかを試してみたいと思います。とその前に、そもそも参加者の方はどれくらいの数(種類)のスキルを持っているのでしょうか。

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所持スキル数の中央値は15となりました。結構多いですね。また、ざっくり言ってスキルがある程度多いほうが指名率は高いようです。ごく自然な結果ですが、スキル数が一桁であっても指名率は6割をキープしていますからそれほど気にするような差ではないのかもしれません。

さて、本題のスキルセットをもとに指名の有無が予測できるかどうかですが、今回はドラフトに参加された方のうち、ランダムに抽出された数千人(指名有:指名無 = 約4:1)を対象に、下表のようなデータを作成し、スキルセットから指名有無(有または無のいずれか)を予測するモデルを作ってみました。ただしスキルについてはかなり数(種類)が多いため、登場頻度TOP50のもののみを対象にしています。

user Java Script Ruby Python ・・・ スキル所持数 指名有無
Aさん 0 1 0   8 1
Bさん 1 0 0   16 0
Cさん 1 1 0   13 1
           

それでは、出来上がったモデルがどれくらいの精度のものなのか検証してみましょう。モデル作成には使わなかったデータが147名分ありますので、この方々の予測結果と実際の指名有無で答え合わせをしてみます。結果は以下の表のようになりました。

  実際は指名無 実際は指名有
指名無と予測 22 55
指名有と予測 6 64

さて精度はどのように測ればよいでしょうか?単純に予測が当たった確率(正解率)を見ればよいのではと思った方もいるかもしれません。しかし、今回の場合はそもそも5人中4人が指名有という偏ったデータのため、仮に一律で全員を指名有と予測した場合でも実は正解率は80%になってしまうのです。

したがって正解率で検証するのは適切ではなく、別の見方ーー具体的には、少数派である指名無の人をいかに正しく予測できたかを重要視する必要があります。今回、実際に指名のなかった28名のうち、正しく指名無と予測できたのは22名(79%)ですが、指名無と予測された77名のうち、実際に指名のなかったのは22名(29%)のみです。これらの結果を踏まえると、今回のモデルの精度はそこまで高いとは言えません。残念ながら、スキルセットだけでは指名の有無をうまく説明することができないようです。

企業は一体どこを見ているのか、行動を探ってみる

それでは企業はどこを見ているのでしょうか。次は企業の検索行動を探ってみます。企業担当者用の検索画面は、ドラフト参加者の様々な属性をもとに絞り込みができるようになっています。下記の表は、直近半年分の検索(数万件)のうち、条件に使用された項目上位をまとめたものです(複数項目のAND条件で検索することも多いため、合計しても100%にはなりません)。

検索条件 使用割合
ステータス 31.7%
フリーワード 21.9%
年齢上限 19.9%
希望勤務地 14.6%
転職意欲 15.9%
技術タグ 15.6%

主観ですが、この結果を見たとき検索の使用頻度が全体的に意外と低めだなぁと感じました。最も使用頻度の多い条件は「ステータス」ですが、これは指名済・未読・検討中など企業から見た個々の参加者の選考状況ですので、参加者の方にはあまり関係ありませんね。次に「フリーワード」ですが、これは中身を見ると特定の技術を指定している場合が大半を占めています。これとは別に、「使用技術」でフィルタをかけている場合も15.6%あります。前述の通りスキルを登録したからといって直接指名につながるわけではないですが、少なくとも企業の目に触れる機会は多くなりそうですね。その他、年齢や勤務地・転職意欲など基本的なところも見られていますが、このあたりも特に違和感ありません。

少し見方を変えて、企業あたりのレジュメ閲覧数(重複は1カウント)を出してみます。第8回ドラフトでは計89の企業にご参加いただいたのですが、なんとほぼ全員分のレジュメをご覧になっている企業が5社もありました。1社あたりの平均レジュメ閲覧数はなんと130となり、かなり多くのレジュメを見ていることがわかります。また、第7回以前にも参加されている企業は一度見たレジュメを除外していることもあるため、第8回が初参加の方のみに絞ってみたところ、さらにこの傾向は顕著に現れることがわかりました。なるほど、万遍なく一通りのレジュメに目を通されている企業が多いのであれば、検索の使用頻度がそこまで高くないのも納得のいく結果と言えそうです。

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「野望」は熱く語るべし

一度に大量のレジュメを見ているとなると、企業担当者にとっては結構な作業量になるかと思います。何らか目を引かれる要素、目立つ要素が影響しているかもしれません。ここでは「野望」に着目してみました。プロフィールのすぐ下に表示され、ユーザページのファーストビューに入ってくる内容です。参加者の個性が非常に強く出るところでもあります。

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上の画像(右)のとおり、実は入力フォーム上の野望欄はかなり小さく、一行で済ませてしまう人もたくさんいそうです。まずは単純に文字数の分布をみてみると、やはり個人によってかなりバラツキが見られるのがわかりますが、指名の有無(0; 指名無、1; 指名有)で大きな違いはなさそうです。

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さて、使われている単語に違いが出ているか、頻出語の傾向をもとに分析してみます。ここでは約1000名分の野望テキストを対象としました。結果を分類すると、下表のように大きく4パターンに分かれました。

  タイプ 代表的なワード 人数構成比 指名有 指名無
A どういうエンジニアになりたいかを意識している エンジニア-なる、できる-エンジニア 13.3% 93% 7%
B 開発系の志向が強い 開発-する 15.2% 83% 17%
C サービスを作ることに興味がある サービス-作る 10.8% 89% 11%
D 自己成長に関心がある 成長-する、活躍-する、実現-する 60.7% 82% 18%
    100.0% 85% 15%  

指名有と無を比較すると、有の人はAタイプが多く、無の人はややB,Dタイプが多いようです。またA,Cタイプの中でも特にその傾向が顕著な人ほど指名有の割合が高く、指名有の方はより主張が強いだろうことが窺えました。いずれも綺麗にハッキリ分かれたとは言いづらい状況ですが、少しでも指名の可能性を上げるためには将来のエンジニア像をイメージして熱く語れると良いでしょう。

経歴をうまく書いて、あなたの実力を伝えよう!

最後に、経歴の文章を使って上と同じことをやってみましたので結果を報告します。いくつかのパターンで試してみましたが、野望の場合と同様、全体的に指名有の人は主張が強いことが窺えました。ただ、こういうワードを使ってこういう方向性で書くと指名が取りやすいといった明確な基準を出すまでには残念ながら至りませんでした。このあたりは、反響が高ければまた次回挑戦してみたいと思います。

ところでちょっと気になるのが経歴の文字数です。指名有でも数百文字程度しか書いていない人が結構いることに気づきます。githubやqiitaなどでアウトプットを公開している方は指名を獲得しやすいのは前回の記事にもありましたが、積極的な情報発信について評価されている場合だけでなく、これらの内容を通じて経歴だけでは補いきれない部分を把握することができるのも大きいかもしれません。

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とはいえ、アウトプットを特に公開していなくても指名をもらえている人はたくさんいます。アウトプットがない場合は、経歴に記載する内容をブラッシュアップしていくことをお願いしたいのですが、 勘違いしてたかも?エンジニアの実力が伝わる職務経歴書の書き方6選を参考にされると良いかと思います。これまで数千部のレジュメを読んできた審査担当者(エンジニア)が、普段よく見ているポイントをまとめたもので、かなり助けになるはずです。

また審査においても、一発で通過となる方は全体の半分弱くらいしかいらっしゃいません。でも再審査は何度でもお受けできますし、記載内容についての個別アドバイスもしておりますのでご安心ください。そして、一度審査に通過してしまえば、何度でもドラフトに参加することが可能になります。少しの手間をかけることで指名年収が○万円上がるかもしれないと考えれば、時間をかける価値は十分あると思いませんか?以前に審査NGとなってしまいそのまま放置されている方も、是非この機会に見直してみてはいかがでしょうか。

いずれにしても、どんなに優秀な方でもその優秀さが伝わらないと指名にはつながらないのは言うまでもありません。企業にとっては従来の経歴書は「面接に呼ぶため」の情報であるのに対し、ドラフトにおけるそれは「給料を決めるため」の情報という違いがあります。「この人良さそうだ」と検討中リスト(いわゆるブックマークです)に入れられたとしても、あと一歩何かが足らずにそのまま未指名に終わってしまう人も少なくありません。企業担当者もいつもより慎重に・厳しめに見ているはずですので、皆さんもいつも以上のアピールを心がけてくださると良いかと思います。

また、一回参加してたとえ指名がもらえなくても、記載内容を見直して是非再チャレンジしてみることをオススメします。何度もチャレンジしていると、指名獲得率はなんと8割にものぼりますよ!

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