<中日1-0横浜>◇27日◇豊橋

 今季初先発の中日山内壮馬投手(25)が“おいしい”プロ初完封勝利を手にした。雨が降りしきる中、変化球を丁寧に集めて許したヒットは1回にスレッジに浴びた中前打だけ。微妙に動く変化球を効果的に使い的を絞らせなかった。6回裏に降雨コールドが決まり、まさかの完封勝利が転がり込んだ。

 「雨は気にならなかった。谷繁さんのミットを目がけて腕だけは振ろうと思った。思いっきりいけました。ゼロに抑えられたことが良かった」。

 思い出の場所だった。豊橋市民球場は愛知・杜若高時代に6回参考ながら完全試合を記録した場所。高校3年夏の愛知大会2回戦で日本福祉大付と対戦。当時、長谷部(現楽天)とダブルエースだった山内は、10奪三振で6回をパーフェクト。プロから注目を集めるきっかけとなった。

 今季は開幕からリリーフ要員で待機してきたが、今後は先発ローテの一角に組み込まれることになりそうだ。「もちろんチャンスがあるならやりたい。任された試合は、しっかりと結果を残したい」。昨季プロ初勝利を挙げた成長株は、貪欲に目を輝かせた。【桝井聡】