グーグル、雇用支援に1100億円 「反AI」に備え
【シリコンバレー=兼松雄一郎】米グーグルは雇用創出を促進する世界のNPOなどに今後5年間で10億ドル(約1100億円)を提供する。米国では職業教育や起業支援の無料訓練プログラムを創設する。人工知能(AI)の普及により仕事の内容が激変し失職者が増えるとの懸念が高まる中、大規模な雇用支援に乗り出すことで批判をかわす狙いがあるとみられる。
1億ドルは雇用創出のための教育などに使う。2千万ドルは教育機会の平等のために活動する団体に使うほか、1千万ドルを米職業訓練NPOのグッドウィル・インダストリーズ・インターナショナルに提供する。
米国では、休職者、教員、自営業者、ソフト開発者などがオンラインで職業訓練を受けられる無料サービスを始める。1年程度でIT関連の職に就くための基礎的な技術を身につけられるオンライン講座向けの奨学金も用意する。就業や起業に助言するイベントを全米を巡回しながら開催していく。また、グーグルの従業員がNPOで5年間で100万時間ボランティアとして働く。
グーグルは2005年から収益の1%相当をNPOへの寄付、ツール提供、ボランティア活動などに費やしている。最近は雇用関連の支援を強化している。