軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

吉と出るか、凶と出るか?

衆院解散を受けて今や天下には、一気に塵・芥が噴出した感がある。職を失いかねないご本人らはもとより、占いごっこが得意なメディアも各社総出で「ああでもない、こうでもない」と五里霧中の状態だが、それが岡目八目にとってはまたとなく面白い。


今朝の産経一面の「古典個展」欄に加地伸行氏が「政治家の醜聞 なぜ受ける」と題して面白い文を書いている。これが国民の一般的感覚だろうから、紹介しておきたい。

≪総選挙がはじまる。野党は叫んでいる。大義なき解散、森友・加計問題隠し・・・と。
それ、本気で言っているのか。まともな野党であれば、前向きにこう言うべきである。
解散は、望むところ、勝負、と。
にもかかわらず、大義がないの、隠しているの、それらは一般論であり、エラー探しであり、うじうじと粗探し。つまりは消極的で後ろ向き。そんな態度ではなくて、北朝鮮に対してどうするのか、政府以上の積極的かつ具体的な案、例えば朝鮮総連在日本朝鮮人総連合会)ならびにその関連企業に対する圧力方法などを示すべきではないか。
一方、メディアの多くは、元自民、民進女性議員のスキャンダルを面白おかしく番組に取りあげている。それがまた受けている。
人の不幸は蜜の昧とは、よくぞ言ったものである。しかしその中身から言えば、元自民某の場合、警察で取り調べとなっても、率直に言って微罪である。元民進党某の場合、罪に問いようがない。(中略)


老生、思うに、これは東北アジアにおける理想の政治家像が今も日本で生きていることの表れではないのかと。(中略)
全体統率者である王の資質とは、血意外になんであるのかという〈新政治家リーダー像〉が求められてきたのである。その結果、〈理想的政治家像〉が生まれた。それは何にも優先して道徳的に立派であること、である。(中略)
道徳的に人々を感化するのが王道。力ずくで相手を抑えこむのは、覇道であり、それは邪道。この王の代理者が官僚なので政治を担当する王・官僚は人格高潔という観念が東北アジアに広まり今日に至っている。
もっとも現代中国に中華思想はなくて覇道のみ。しかし日本には政治家・官僚の高潔さへの期待が今も生きている。不祥事議員はその落第者である。
呂氏春秋」精通篇に曰く、徳は万民の宰(おさ・指導者)と。「論語」季氏篇に曰く、遠人服さざれば、すなわち文徳を脩めれ以って之(遠人)を来すと。≫


日本国民の期待感の中には、加地氏が言うように「政治家・官僚の高潔さへの期待が今も生きている」のは事実だろう。しかしそんな高潔な候補者は今や絶滅種の類であって、ほとんど立候補はしないから、現代日本社会の政治家には「不祥事議員」だらけで「落第者」があふれているのが事実というわけだ。それは学歴や出身校には無関係だから始末に負えない。判断基準がないからだ。

街頭演説などは、心にもない美辞麗句を並べ立て、大衆に媚を売って己の「就職活動」を成功させたいだけなのだ。

しかし今回は、小池ならぬ「大池」という、想定外の大波が起きて、なあ〜なあ〜の政治や社会に水しぶきが立ち、その上思想信念を確かめる“踏み絵”も用意された。
前回の東京都知事選、議員選挙などで、都議会に巣食った塵芥同様の議員らと、それに媚コビして己を見失った高給役人らの実態が暴かれたのではなかったか?
当時の有名な知事もいい加減な仕事しかしていなかったことが判明したじゃないか。
腐りきっていた政界の大掃除が都議会のみならず、国会でも始まったのであり、今回はその手始めにすぎまい。


今回の解散で、慌てたのは有権者の無知をいいことに、たぶらかして生きてきた連中だろう。沈没する泥船から脱出しては見たものの、すがるべき“藁”には限りがあるから、“クモの糸”ならぬ押し合いへし合いが続いていて見ものである。
彼らには“思想信条”はもとより、“仁義もヘッタクレ”もあったものじゃなく、食うのに懸命なだけなのだ。

この状況を見て、目が覚めた有権者も多いだろうが、組織に嵌ってものが見えない有権者たちは、彼ら亡者と同一レベルなのだと自覚するがいいだろう。


≪安倍首相の街頭演説を妨害する彼女らの後ろには誰がいるのか?彼女らは単なる政治音痴の“主婦の集い”じゃあるまい。相当根深い組織があるはずだ…メディアは追及したらどうだ?(産経から)≫


明日10日、いよいよ衆院選の公示日を迎えるが、隣の凶暴な国もお祭りらしいから、半島情勢にもどんな変化が起きるかわからない。
続いて中国共産党の重要会議・第19回全国代表大会も、18日に開催が予定されているから、ここにも何かが起きそうである。


他方同盟国のトランプ大統領は、5日にホワイトハウスで開かれた軍高官らとの会合で、「嵐の前の静けさ」だと発言して波紋を呼んでいる。


≪【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は5日夜、ホワイトハウスで開いた軍高官らとの夕食会で報道陣の冒頭撮影に応じた際、軍高官らを見渡しながら「これが何を意味するか分かるかな。嵐の前の静けさだよ」と述べた。メディアの間では、トランプ政権が近く安全保障分野での懸案に関し、軍事攻撃などの新たな行動に踏み切る前触れではないかとの臆測が広がっている。

 トランプ氏は記者たちから「嵐とは何のことですか」と聞かれると、笑みを浮かべながら「そのうち分かるよ」と述べるにとどまった。報道陣は6日もトランプ氏に同じ質問を投げかけたが、同氏は真意を明かさなかった。

 トランプ氏の謎めいた発言に、米メディアは北朝鮮やイランの核問題や、シリアやアフガニスタンでの過激派掃討作戦で新たな軍事的展開があるのでは、と波紋が拡大。これに対しサンダース大統領報道官は6日の記者会見で、「大統領は記者を困らせようとして発言しているわけではない。次にとる行動について公言しないようにしているだけだ」と説明した。

 北朝鮮情勢をめぐっては、米中央情報局(CIA)高官が米国の祝日である9日(北朝鮮時間10日)に挑発行為に踏み切る可能性があると予測。イラン情勢に関しては、トランプ氏が2015年のイラン核合意の見直し結果を12日にも発表すると伝えられている(産経)≫


愈々機は熟しつつあると見た方が良かろう。オバマ前大統領との違いを明確にしている彼は、20年以上もこれまでの米政権が放置してここまで育ててしまったモンスターを生かしてはおくまい。

今その後継者をどうするかで、隠密裏に行動していると思われるが、勿論シナやロシアは正恩後の半島情勢が、自分に都合が悪くならぬよう、陰で妨害しているだろうから、すんなりとはいくまいが、半島情勢が紛糾することは想定される。

そんな国際情勢を全く無視した“野盗”の候補者たちは、彼らの息がかかった連中だとみて差し支えあるまい。この選挙が天下分け目の秋だという事を、どれほどの国民が自覚しているか憂慮に堪えない。


私の予想では、11月14日にトランプ大統領がアジア歴訪の旅を終えて帰国するころが、公算が高いと思うが、参加部隊は、少なくとも12月23日のクリスマスには自国に戻って家族とともに祝いたいだろう……。

その動きを知った安倍総理は急きょ解散総選挙に打って出たと見るのはうがちすぎかか?
当たるも八卦、当たらぬもまた八卦だが、少なくとも東京は、ワシントンよりも平壌に近いという事を日本人は忘れてはなるまい……


届いた本のご紹介
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≪「ユニオンとブラック社員」田岡春幸著:青林堂¥1000+税≫
前回、「中小企業がユニオンに潰される日」という、しられざるユニオン(労働組合)の労働運動の実態について、著者と山村明義氏との対談を収録したものの、第2弾である。
大変な反響があったらしく、多くは「働き方改革」という日本の良き労働環境破壊工作に警鐘を鳴らしている。どう見ても最近の“大企業”の没落は、トップたちの不勉強、人格欠落もさることながら、過激な労働運動が背景になるのではないか?という説には同感する。

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