松井大輔のポーランド2部移籍。「先の見えない場所に身を置きたい」

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

松井大輔が語る移籍の真実【前編】

オドラ・オポーレの入団会見で、「22番」のユニフォームを掲げる松井 photo by Sportivaオドラ・オポーレの入団会見で、「22番」のユニフォームを掲げる松井 photo by Sportiva 8月2日、ジュビロ磐田のオフィシャルホームページで、松井大輔がポーランド2部リーグのオドラ・オポーレへ完全移籍することが発表された。

 あまりにも唐突なその発表に、驚きを覚えたファンも少なくなかったはずだ。2014年からジュビロでプレーする松井は、現在36歳。自分の未来をこれから切り開かなければならない10代や20代の選手ならまだしも、残された現役生活が決して長くないベテラン選手が、あえてヨーロッパで再挑戦する目的は一体何なのか。

 ポーランドに旅立つ前日、松井はジュビロでプレーした3年半での葛藤を振り返りながら、その真相を語ってくれた。

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──ジュビロでプレーしたのは2014年からの3年半。ひとつのチームでプレーするという点では決して長くないと思いますが、スタンドには22番のユニフォームを着ているサポーターや、広島戦(8月5日)後の別れの挨拶で涙を流してくれるサポーターも多かったようです。あらためて、ジュビロで過ごした時間をどのように感じていますか?

「ジュビロのサポーターには本当に感謝していますし、ありがとうという言葉しかないですね。いつも温かく接してくれて、勝てない時も熱い声援を送り続けてくれた。あのサポーターの姿を見て、ジュビロというクラブが本当に地域密着の素晴らしいクラブなんだと実感できました。それだけに、自分としてはジュビロがJ2の時に入団して、1年でJ1に昇格させられなくて、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。途中からは試合もあまり出られなかったし、ゴールもたくさん決められなかったですしね」

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