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Razer,リアル7.1chサラウンド出力対応ヘッドセット「Tiamat 7.1 V2」を発表。5年半ぶりの第2世代モデル
世界市場に“無印”が登場したのは2011年第4四半期のことなので,実に5年半ぶりのTiamatシリーズ新製品ということになるが,Tiamat 7.1のほうが左右エンクロージャごとに5基,合計10基のスピーカードライバーを採用したリアル7.1ch出力対応モデルで,Tiamat 2.2は左右に2基ずつ搭載した2.1ch出力モデルという基本仕様は,「V2」でも変わらずだ。
Razer直販サイトにおける北米市場向けの価格は,Tiamat 7.1 V2が199.99ドル(約2万2378円,税別),Tiamat 2.2 V2が129.99ドル(約1万4545円,税別)。世界市場での発売は2017年7月中ながら,Razerによると,日本市場における発売時期や価格は未定だそうだ。
以下,順に見ていこう。
Tiamat 7.1 V2
Tiamat 7.1 V2は,10基のスピーカードライバーを搭載するヘッドセット本体と,音量を調整したり,ステレオ再生と7.1chサラウンド再生を切り替えたりする機能を持つ「Audio control unit」で構成されている。
ヘッドセット本体とAudio control unitのどちらも,Razerのイルミネーション機能「Razer Chroma」に対応しており,発光色や発光パターンをカスタマイズ可能だ。
エンクロージャの外装カバーが着脱可能で,外すと,半透明のカバーから左右5基ずつのスピーカーを覗き込めるようになっている点は,第1世代モデルと共通の仕様。ただ,前述したLEDイルミネーションのおかげで,スピーカードライバーが浮かび上がるようになっているのは,今風の仕様と言えるだろう。
内蔵するスピーカードライバーは,いずれもネオジム磁石を使用したもので,フロントサテライト用が30mm径,サイドおよびリアサテライト用が20mm径,センター用が30mm径,サブウーファ用が40mm径という組み合わせになっている。Audio control unitからは,全体の音量調整だけでなく,各チャネルの音量調整も行えるようで,このあたりの仕様も初代モデルから変わっていない気配がある。
本稿執筆時点では,付属するケーブル類の詳細や説明書といった情報がないので,ケーブル周りの仕様は分からない面もあるのだが,ヘッドセット本体とAudio control unitはケーブル1本でつなぎ,Audio control unitとPCとの間は,先端が3.5mmミニピン×5とUSB×1に分岐した接続ケーブルでつなぐという仕組みは,やはり第1世代から変わっていないようだ。5年半が経ち,アナログ7.1ch出力に対応するサウンドデバイスはずいぶん減ったわけだが,ある意味,潔い仕様と言えなくもない。
なおAudio control unitは,外部の7.1chアナログスピーカーをつなげるための3.5mmミニピンサウンド出力×4を備えている。これも初代機譲りの仕様である。
ヘッドセットとAudio control unitの仕組みといった根幹部分は,初代Tiamat 7.1を概ね踏襲したものなので,Razer Chroma対応やヘッドセットのデザイン変更など,現代的な要素を加えてリニューアルした製品がTiamat 7.1 V2という理解でいいのではないだろうか。
Tiamat 7.1 V2は,米国でも200ドル近い価格の製品であるだけに,国内での価格も相応に高くなるのは確実だ。バーチャルサラウンド技術がずいぶんと進化した2017年に,リアル7.1chサラウンド出力対応モデルがゲーマーからどういう評価を受けることになるのか,とても興味深い。
●Tiamat 7.1 V2の主なスペック
- 基本仕様:アナログおよびUSB接続ワイヤードタイプ
- 本体サイズ:未公開
- 重量:未公開
- ケーブル長:未公開(※本体側),3m(※Audio control unit側)
- 接続インタフェース:3.5mmミニピンサウンド入力×4,USB(電源供給用),3.5mmミニピンサウンド出力×4
- 搭載ボタン/スイッチ:ヘッドフォン音量調整,マイクミュートスイッチ,7.1ch/ステレオ切り替えスイッチ
- 主な付属品:エンクロージャ外装カバー
- 対応ハードウェア:7.1chサラウンドサウンド出力可能なアナログ出力を備えるPC
- 周波数特性:20Hz〜20kHz(全チャネル共通)
- 感度:フロント/センター 115±3dB(@1kHz),サイド/リア/サブウーファ 118±3dB(@1kHz)
- インピーダンス:フロント/センター/サイド/リア 32Ω,サブウーファ 16Ω
- 許容入力:未公開
- スピーカードライバー:フロント/センター 30mm,サイド/リア 20mm,サブウーファ 40mm
- 周波数特性:100Hz〜10kHz
- 感度:−38dB±3dB
- インピーダンス:未公開
- S/N比:>58dB
- 指向性:単一指向性
- ノイズキャンセリング機能:未公開
Tiamat 2.2 V2
もう1製品のTiamat 2.2 V2は,冒頭で触れたとおり,左右それぞれに2基ずつ,計4基の50mm径ネオジムスピーカードライバーを搭載するアナログ接続型のワイヤードヘッドセットだ。片側2基のスピーカードライバーは,1つがフルレンジ,1つがサブウーファになっており,充実した重低音を再生できるとされるあたりは,第1世代モデルと共通だ。
Tiamat 2.2 V2はリアルサラウンド対応のヘッドセットではないが,「Advanced 7.1 Virtual Surround Sound Engine」なるものによるサラウンドサウンド再生が可能であるという。
このバーチャルサラウンド再生機能は,Razer Synapseでサラウンド設定をカスタマイズ可能とある程度で,既存のRazer Surroundと何が違うのかは,正直よく分からない。
インラインリモコン付きのケーブルは,ヘッドセット本体から直接伸びており,先端には4極3.5mmミニピン×1の接続プラグがある。PCとの接続用に,3極3.5mmミニピン×2の分岐ケーブルも付属しているとのことだ。
「サブウーファ標準搭載の2chステレオ出力対応ヘッドセット」にどれだけの価値を見出せるかが,Tiamat 2.2 V2取捨選択のポイントということになるだろう。ゲームサウンドに迫力を重視するなら,こちらも注目しておくとよさそうだ。
●Tiamat 2.2 V2の主なスペック
- 基本仕様:アナログ接続ワイヤードタイプ
- 本体サイズ:未公開
- 重量:未公開
- ケーブル長:1.3m(※ヘッドフォン側),2m(※分岐ケーブル側)
- 接続インタフェース:4極3.5mmミニピン×1,3極3.5mmミニピン×2
- 搭載ボタン/スイッチ:出力音量調整ダイヤル,マイクミュート有効/無効切り替えスイッチ
- 主な付属品:3極3.5mmミニピン分岐ケーブル
- 対応ハードウェア:未公開
- 周波数特性:20Hz〜20kHz
- 感度:未公開
- インピーダンス:フロント 32Ω,リア 16Ω
- 許容入力:50mW
- スピーカードライバー:50mm×2
- 周波数特性:100Hz〜10kHz
- 感度:−38dB±3dB
- インピーダンス:未公開
- S/N比:>58dB
- 指向性:単一指向性
- ノイズキャンセリング機能:未公開
RazerのTiamat 7.1 V2 製品情報ページ
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