『ごめん、愛してる』で、初のゴールデン帯ヒロインを務める吉岡里帆

TBSドラマ『ごめん、愛してる』に出演中。伝統ある日曜劇場で初のゴールデン帯のヒロインを務める吉岡里帆

7月10日発売の『週刊プレイボーイ』30号では、そんな彼女を40Pに渡り大特集。その中から前回配信したロングインタビューの続きを掲載。女優・吉岡里帆の「今」に迫った。

―ところで、いよいよ日曜劇場『ごめん、愛してる』(TBS系)が始まりました。吉岡さんはゴールデン帯のドラマで初めてヒロインを演じます。

吉岡 お話をいただいて信じられない気持ちはあったんですけど、自分を選んでくださった方の期待を裏切らないよう演じたいですね。

―今回は、幼なじみの青年(坂口健太郎)と、運命的に出会った主人公(長瀬智也)との間で揺れる女性を演じます。

吉岡 本当に王道のヒロインなんですよね。いつも変わった役が多いから、このドラマでもぶっ飛んだ役だと思っていました(笑)。私の役は特に、ほかの登場人物の感情がリンクしていく存在だと思うんです。だから「彼ら、彼女らはこのときどう思うんだろう」って、場面ごとに想像力を働かせながら演じるようにしています。

―今回は共演者も豪華ですよね。長瀬智也さん、坂口健太郎さん、大竹しのぶさん、池脇千鶴さん、六角精児さん、中村梅雀さん…錚々(そうそう)たるメンバーです。特に相手役の長瀬さんとはいろいろお話しするんですか?

吉岡 はい。長瀬さんは私の中ですごく男らしいイメージで、だからお芝居も感覚的で「一発撮ったらすぐにオーケー!」みたいな豪快な方なのかと勝手に思っていたけれど、むしろ誰よりも慎重で細部までこだわりぬくんですね。納得するまで何度もモニターでチェックして、スタッフさんと意見交換して。長瀬さんが出られているドラマは昔からたくさん見ていましたけど、面白い作品に関わる方って人一倍、細やかなんだなと思いますね。

―大竹しのぶさんとはどんな話をされますか?

吉岡 大先輩として敬意を持って、作中でのお芝居の話をしたり、質問をしたり。でもドラマと関係ない話もしますよ。例えばバンドの話とか好きな音楽の話とかも普通にします。「女優」というと、何かすごく強くてまるで柵を巡らしているかのようなイメージもあると思うんですけど、そうじゃなくて、もっとなんのしがらみもない自由な人のことを女優っていうのかなって、大竹さんを見ていると思います。

―長瀬さん演じる主人公と吉岡さんが異国の地で出会い、偶然にも日本で再会することで物語は進んでいきます。ある意味、運命的ともいえる出会いというか。吉岡さんはそういう運命の人を信じます?

吉岡 え~っ! どうだろう。私は結構、現実主義者なので、人との運命は育んでいくものだと思っているのですが…。

―ひと目惚(ぼ)れなんて…?

吉岡 ないですよ(笑)。でもだからこそ、こんなふうに「この人が運命の人だ」とわかるのであれば、すごくすてきだなと思います。

撮影/ND CHOW

「葛藤しかしていない」

■毎日葛藤中。悩んだときは…

―今まで変わった役柄をいろいろ演じてきて、今回は王道の恋愛ドラマのヒロイン。次はどんな役をやりたいですか?

吉岡 どんなというのはなくて…自分の人生に正直に向き合ってる人、かな。嘘をつかずに向き合うほど、苦しいし葛藤も多いじゃないですか。でもそれから逃げずにちゃんと立ち向かう人に惹(ひ)かれるので。

―吉岡さんも葛藤するんですか?

吉岡 葛藤しかしていないですよ。仕事でいえば、「もっと華のある売れっ子女優を使えばよかったって思われるんじゃないか」とか「次の作品は難しい役だし自分にできるかな」とか。

―悩んだときはどうしています? 開き直るとか?

吉岡 私の場合は…自分以上に頑張っている人のことを思い返します。自分はまだまだだな、もっと頑張らなきゃって思うから。

撮影/熊谷貫

―とはいえ吉岡さん自身、いまや売れっ子でしょ。自信もついてきたんじゃないですか?

吉岡 いや、ないですよ(真顔)。

―でも最近よく「ブレイク女優」と言われるじゃないですか。

吉岡 いやいや。そんなことないですよ。たくさんの方に見ていただけるよう、ただただ毎日がむしゃらです。

―逆に吉岡さん自身は、どうなればブレイクの実感が湧くんでしょうね?

吉岡 私が生きている間は、絶対そんなふうに思わないです。もし自分が死んでから、まだ女優として忘れられない存在になっていたとしたら、それはブレイクしていたのかなって思うのかも。

―死んでからって(笑)。ということは、永遠に自分がブレイクしたとは思わないと。

吉岡 思わないです。周りに何を言われても、現状に満足することは絶対にないですね。

「まだまだやらなきゃいけないことはいっぱい」

2年前、週プレNEWSで初めて取材させてもらったとき、「人に元気を与える女優になりたい」とおっしゃっていました。

吉岡 覚えています。それは今も変わらないです。

―元気を与えるというのはどういうことでしょう?

吉岡 見たときに心が動くということですね。私自身、映画やお芝居でいい作品やいい俳優さんと出会ったら、心が動いてそれまでグレーだったものがカラフルに見える瞬間があるんです。それが元気を与えるということだと思うんです。

―では一生をかけて、そういう女優を目指すと。

吉岡 はい。ひとりでも多くのお客さんに「見てよかったな、あの女優いいな」って思ってもらえたら。そのためにも、いただいた役をとにかく真摯(しんし)に演じたい。まだまだやらなきゃいけないことはいっぱいです。

(取材・文/大野智己 撮影/本田雄士 協力/TBS エーチーム)

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■『週刊プレイボーイ』30号(7月10日発売)では、吉岡里帆を大特集。グラビアやドラマ密着取材など合わせて40Pに渡り掲載しているので、ぜひご覧ください!!

■『週刊プレイボーイ』30号「表紙の美女スペシャル 吉岡里帆」より