「宇宙天気と惑星ハビタブルゾーンに関する国際シンポジウム」を開催しました。(2017年6月27、28日)

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学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット、総合生存学館、理学研究科附属天文台の共同主催で、「宇宙天気と惑星ハビタブルゾーンに関する国際シンポジウム」を東一条館・思修館ホールにて開催しました。シンポジウムでは、太陽フレアや恒星フレアが、惑星の進化や生命の誕生にどのような影響を与え、かつフレアの発生予測や評価を今後どのように進めていくかについて広く議論を行いました。

シンポジウム冒頭には、Faint Young Sun paradox(暗い若い太陽のパラドックス)を、初期太陽からの高エネルギー粒子や電磁波による初期地球大気での温室効果ガス生成メカニズムによって説明したVladimir Airapetian NASA/GSFC(ゴダード宇宙飛行センター)博士が記念講演を行いました。Airapetian博士は、「Space weather affected habitable zones(宇宙天気の影響を受けるハビタブルゾーン)」と題して、現在行われているさまざまな恒星観測や数値計算結果の紹介と、恒星風の影響を考慮した新たなハビタブルゾーンの定義について紹介し、会場を巻き込んで広く議論を行いました。

また、山敷庸亮 総合生存学館教授(学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット副ユニット長)による系外惑星データベース ExoKyotoおよび系外惑星へのフレア影響評価モジュールの紹介がありました。

さらに、柴田一成 理学研究科附属天文台長(学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット副ユニット長)によるスーパーフレアにともなうコロナ質量放出と地球への影響に関する最新研究の紹介、磯部洋明 総合生存学館准教授による歴史天文文献による過去の太陽巨大フレアの解析の研究紹介、佐々木貴教 理学研究科助教による水惑星形成シミュレーションの紹介などがありました。

他にも、前原裕之 国立天文台専門研究員らによる太陽型星のスーパーフレアと巨大黒点との関係などに関する発表があり、前原専門研究員の発表に引き続き、理学研究科の学生3名(野津湧太さん、幾田佳さん、行方宏介さん)による、京都大学グループの恒星フレア観測研究の最近の進展状況の紹介、そして野上大作 理学研究科准教授による、京都大学岡山3.8m新望遠鏡を用いた今後の研究の計画についての紹介・議論も行われました。

Airapetian博士とは、今後のNASAとのさまざまな観測活動における研究協力と、系外惑星データベースの改良や協力について議論し、継続的に連携してこれらの活動を進めていくことになります。

Airapetian博士

山敷教授

記念講演の様子

左から、Airapetian博士、土井隆雄 学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット特定教授(元NASA/JAXA宇宙飛行士)

集合写真

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