日本航空(JAL)は2017年7月6日、旅客系システムの切り替え日を2017年11月16日木曜日にすると発表した。現行システムのうち、米IBM製のメインフレーム上で稼働している予約・発券・チェックイン処理などを、スペインのアマデウスが提供するクラウドサービス「Altea(アルテア)」へ移行する。

 今回のシステム刷新プロジェクトはJALグループ内で「SAKURAプロジェクト」と呼ばれているもの。現行のシステムでは予約・発券処理を担う「JALCOM(ジャルコム)」、国際線のチェックイン処理を担う「JALPAS-I(ジャルパス・アイ)」、国内線のチェックイン処理を担う「JALPAS-D(ジャルパス・ディ)」など複数のシステムで旅客業務を処理している。同社はシステム刷新の具体的な対象範囲について明らかにしていないが、これらのシステムの大半がAlteaへの移行対象になるとみられる。

JALの航空機
JALの航空機
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 同社はかねて、旅客系システムの移行を2017年11月に予定していると公表していたが、具体的な移行日は明らかにしていなかった。

 移行日を11月16日とした理由を同社は「ピーク期を避けるなど、移行に伴うリスクを総合的に鑑みて決定した」(広報部)とする。2017年11月は3~5日の3連休と23~26日の飛び石連休があり、両期間中は観光需要が増加する。その狭間に当たり、比較的乗り慣れている出張客の比率が高い平日のほうが不測の事態に備えやすいと判断したようだ。

 併せて同社はシステム刷新に伴う航空券の適用ルールの変更を公表。新システムが稼働する11月16日以降、国内線の普通運賃などの有効期間を従来の90日から1年間に延長し、キャンセル待ちの受付期限を「搭乗2日前まで」から「搭乗24時間前まで」に変更する。

 一方、一部の割引運賃を対象にキャンセル待ちや搭乗クラスの変更に制限が生じるほか、「航空運賃のうち、普通席運賃分のみ事前に支払い、クラスJ料金は当日空港で支払う」「クラスJ搭乗時に普通席運賃分のみの領収書をWebサイトで発行する」「国内線の特典航空券で、搭乗当日に予約便より早い出発便に空席がある場合は空港で変更可能」など、現行システムで提供していた一部サービスを終了させる。