沖縄の集団自決をめぐって争われた名誉毀損訴訟の最高裁判決で、被告の大江健三郎氏と岩波書店が勝訴した。これまでの経緯を知らない人が、大江氏が正しかったと誤解するのもよくないので、少しコメントしておく。問題の訴訟は、2007年の記事でも書いたように、赤松嘉次大尉らを集団自決を命じた屠殺者だと罵倒した大江氏の『沖縄ノート』の記述が事実かどうかをめぐって赤松大尉の遺族などが起こしたものだ。これについては曾野綾