松山英樹、全米OP2位で世界2位。強風を突き抜ける圧巻の逆襲

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Koji Aoki/AFLO SPORT

 3日目を首位と6打差の14位タイでホールアウトした時点で、日本人初のメジャー制覇の夢は潰(つい)えた――それが、117回目となる全米オープンの行方を、そして松山英樹のプレーを注視していた人々が抱いた本音ではなかったか。

 たとえ松山が、「ビッグスコアが出せれば、まだまだ諦める位置ではない」と話していても、だ。メジャー仕様の難しいセッティングで、6打もの差を逆転するには上位陣の総崩れを期待するしかない、いわば他力本願である――。

ラウンド後、テレビ解説の青木功氏のインタビューで笑顔を見せる松山英樹ラウンド後、テレビ解説の青木功氏のインタビューで笑顔を見せる松山英樹 この日、エリンヒルズGC(ウィスコンシン州ミルウォーキー近郊)には早朝から強風が舞っていた。メディアセンターの入った巨大テントはバタバタと風が打ちつける爆音が鳴り響き、コースに出ればピンフラッグが小躍りするように根元からはためいていた。

「練習場の段階では、これは相当難しいなと。すでにスタートしている人たちもアンダーパーがほとんどいなかったので、やっぱり難しいんだなあって。スタートしたら、自分にとって、風が案外好きな向きだったので、よかったなとは思いましたね」

 うだるような暑さに見舞われた予選ラウンド2日間、サンダーストームの予報が出て湿度が高まり蒸し暑かった3日目と比べて、最終日は気温も10度近く下がっていた。

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