「ドコモwith」と「シンプルプラン」で月額料金はここまで安くなる

docomo withプラン

夏モデル発表と合わせて登場した「ドコモwith」プラン。ずっと続く毎月1500円割引はなかなか魅力的だ。

撮影:BUSINESS INSIDER JAPAN

NTTドコモは5月、新たに2つの料金プランを発表した。「ドコモwith」と「シンプルプラン」だ。これらのプランは、他キャリアのサブブランド(KDDIのUQモバイル、ソフトバンクのワイモバイル)や、格安SIM対抗を意識したプランといえる。

さて、これらの新プランを家族で選んだ場合、実際どれくくらい安くなるのだろうか? 競合となるであろう格安SIM(MVNO)回線の料金プランと比較してみた。

基本料金1500円割引が続く注目の新プラン「ドコモwith」

まずは新プランについてチェックしてみよう。「ドコモwith」は新製品となる富士通の「arrows Be」とサムスン電子の「Galaxy Feel」を購入することによって、期間を縛ることなくずっと月額1500円(税別・以下同)を割引し続けるというプランだ。

1人で利用する場合、カケホーダイライトプラン基本料と、spモード料金、そしてデータSパック(2GB)の組み合わせで月額は4000円に抑えられる。さらに15年以上利用していると「ずっとドコモ割」が適用され、月額3400円まで下げられる。

この「ドコモwith」を利用するにはいくつかの条件がある。

1つは前述の通りの対象になる2モデル「arrows Be」と「Galaxy Feel」のいずれかを購入することだ。なお、1回線で利用する場合はカケホーダイライトプランやデータパックS以上のパケットパックへの加入も条件となっている。

with00

ドコモwith適用端末。左が「arrows Be」、右が「Galaxy Feel」。

なお、「ドコモwith」で選べる2台のスマートフォンの価格は、「arrows Be」が2万6400円、「Galaxy Feel」が3万6000円と、キャリアスマホとしては、非常に低価格な値付けとなっている。これなら、いわゆる格安スマホと比べても、十分にお得感があると感じる人は多いはずだ。なお、「arrows Be」は約1年半、「Galaxy Feel」は2年以上利用すれば、端末価格の元は取れる計算となる。

では、格安SIM(MVNO)回線の低価格プランとの比較ではどうだろうか。格安SIMのなかで現在最もシェアが高いという(MM総研調べ)「OCNモバイルOne」では、月3GBのデータ通信ができる音声プランが月額1800円から利用できる。つまり金額だけで見ると格安SIM回線の安さとは、まだまだ開きがある。

03

格安SIMの代表例として、現在最もシェアが高い(MM総研調べ)というOCNモバイルOneの月額プランの一例。

しかし、忘れがちだが「ドコモwith」には金額以外のメリットもある。例えば、以下の要素だ

・キャリアSIMならではの安定した通信速度(昼間など混雑時間帯でも遅くなりにくい)

・「ドコモwith」ではカケホーダイライトプランを利用するため、5分以内の通話が無料

・端末の画面割れなどが安価に直せるケータイ補償が使える(月額500円の有償)

・海外旅行や海外出張時に国際ローミングが使える

要するに、通信キャリアならではの充実したサービスが受けられる。格安SIMとの価格差を、これらのサービス分だと考えれば、価格差なりの価値はやっぱりあると思う。

docomowith

中央はドコモwithを適用して、格安SIMに近いデータSパック(2GB)を選んだ場合の料金。「ずっとドコモ割」を使える人なら、格安SIMとの差額は1500円程度まで縮まる。

家族回線「月額280円」の驚き、シンプルプランとの合わせ技

ドコモ回線にこだわって、家族みんなデータ容量をシェアしている人には続きがある。ここで出てくるのが、もう1つの新料金プラン「シンプルプラン」だ。これはシェアパック利用時にのみ適用できるプランで、適用すると親回線(例:父親)も、子回線(例:その家族)も、基本料金が980円になる。ただし、通話定額がないのであまり電話しない人向けだが、家族間の通話料金は無料だ。

シンプルプランの料金表

ドコモの公式サイトより。シンプルプランではシェアする家族が多いほどにおトクになる。親回線にシェアパックの代金がのっかってくるとはいえ、子回線を280円で維持できるというのはなかなか衝撃的。

たとえば、従来のドコモのスマホ向け最安プランだった「カケホーダイライト」を家族全員で使っていた場合、シンプルプランにすると、基本料金が一人あたり1700円→980円となり、1端末あたりマイナス720円/月間のコスト見直しができることになる。

さらに、先ほどの「ドコモwith」を組み合わせてしまうと、主回線、子回線それぞれから1500円ずつ割り引かれることになる。

驚くのは、シンプルプランは親回線・子回線間でデータ通信量を分け合う「シェアパック」前提のプランなので、子回線はなんと280円(!)で維持できる(厳密には家族である必要はないので、個人で子回線を複数回線を契約してもOK。最大20回線まで。)

一例として、5人家族で「ドコモwith」と「シンプルプラン」を組み合わせて利用すると、シェアパック10GBの場合、家族5回線まとめて月額9400円、一人あたり換算 月額1880円でドコモ回線が維持できるという驚きの計算だ(もちろんデータ量は家族全体で10GBなわけだから、YouTubeなどを見る場合はWi-Fiの積極利用に務めることになる)。

下に示す例では、これまでは「カケホーダイライト」プランを家族で使っていたケースで計算してみた。カケホーダイライトについていた「5分以内の通話が無料」をLINE通話などで代替できるなら、シンプルプラン+ドコモwith(+ずっとドコモ割)を適用した場合の価格差月額1万1000円、ずっとドコモ割がなくても価格差月額1万円は結構大きな金額だ。

「でもドコモwithは新発表の適用機種を買わないと使えないでしょ?」と思った人もいるハズ。もちろんその部分も計算してみた。「arrows Be」5台分の購入価格は約14万2560円。従来との月額差額1万1000円×12カ月で、ちょうど1年1カ月後にarrows Be5台分の端末代が差し引きゼロに償却できる計算だ。ざっくり言えば、2年目以降が、この合わせ技の本領発揮ということになる。

withsimple

「ドコモwith」+「シンプルプラン」は家族利用に相当役立つ

家族全員でドコモにまとめている人の場合は、コスト削減狙いなら「ドコモwith」と「シンプルプラン」を積極利用する方法はアリだ。より多くの家族で回線をシェアすることによって、コストメリットを最大限に発揮できる。MVNO回線並みの月額維持費で運用することも不可能じゃないのだ。


コヤマタカヒロ:デジタル&家電ジャーナリスト。デジタル関連やシロモノ家電を対象に、製品、サービス、ビジネスまで幅広いジャンルで執筆活動を展開。モノ雑誌やWebメディアでの連載も多数。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み