日経平均が1年半ぶりに2万円を突破した。アメリカの“トランプ相場“につられて始まった2017年、国内株式市場の強気モメンタムはさらなる上の水準を目指す。高揚感が高まる6月2日の市場ではあるが、エコノミストから聞かれるのは、2万円の大台を維持する難しさとマーケットに居座るダウンサイド・リスクだ。
撮影:今村拓馬
日経平均株価は2日、取引時間中としては2015年12月2日以来、1年半ぶりに2万円を回復した。前日のアメリカ市場で主要株価3指数はそろって最高値を更新。良好な外部環境を引き継ぐ形で買いが優勢となった。12時50分現在、2万200円で取引されている。
2万円台をキープすることは至難の業だ —— ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミスト・上野剛志氏は語る。トランプ大統領の「ロシアゲート」スキャンダルや保護主義的な経済政策、イギリスのEU離脱、中国経済の減速など、市場には株価にのしかかるダウンサイドの要因がある。
「半年から1年といった長い目で見れば、円安が進み、日経平均株価もさらに上がる可能性は十分にある」と話す上野氏だが、「短期的には2万円を切る可能性は高い」と続けた。
(編集:佐藤茂)