米Google傘下でスマートホーム事業を手掛ける米Nest Labsは現地時間2017年5月31日、家庭用セキュリティカメラ「Nest Cam」の新モデル「Nest Cam IQ」を発表した。ハードウエアを刷新し、ソフトウエアと機能を強化したほか、有料サービス向けに顔認識技術と音声認識技術を組み込んだ。
Nest Cam IQは、撮影範囲内に人物をとらえると自動でズームアップし、室内を動き回る対象人物をカメラで追跡する。
ペットや壁に映り込んだ影と人間の違いを認識し、アップ画像を添付したアラート「Person Alert」をユーザーのスマートフォンに送信する。Person Alertは、従来モデルでは有料サービス「Nest Aware」の加入者のみに提供していた。
また同社が「Supersight」と呼ぶ画像処理技術により、暗い室内でも鮮明な映像を提供する。ユーザーは、人物のズームアップと室内全体（画角130度）の様子をピクチャー・イン・ピクチャー方式の高精細映像で確認できる。
Nest Aware加入者には、クラウド上のビデオ保存に加え、顔認識技術を利用して家族と侵入者を区別する機能、カメラに写っていない人の話し声や犬の鳴き声などの音声を検知して通知する機能も提供する。
米メディアの報道（Re/codeやThe Verge）によると、Nest Aware向けサービスは「Google Photos」で使われているのと同様の顔認識技術を用いる。Nest Awareの利用料は月額10ドル、年払いでは100ドルとなっている。
Nest Cam IQは、4Kビデオセンサー、12倍デジタルズーム、HDR機能、1080p HD機能、940nm赤外線LEDを備える。3つの高度なマイクとノイズおよびエコー除去技術により、「オリジナルモデルより7倍高音質」としている。
米国ではすでに専用サイトにおいて予約注文を受け付けており、希望小売価格は1個299ドル、2個セットで498ドル。
続いて英国、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、アイルランドで、その後6月13日にドイツ、オーストリア、イタリア、スペインで予約受付を開始する。欧州での希望小売価格は1個379ユーロ（299ポンド）。今月中に出荷を開始する。
