貯蓄

お金を増やすために知っておきたいリスクの考え方

リスクを取って投資をする方が、リターンが増える場合が多く、投資はお金を働かせるのに適当な方法のひとつですが、それは絶対ではありません。経済的にも精神的にも、無理のない範囲で投資することが大切です。まず、リスクについて知りましょう。

岩城 みずほ

執筆者:岩城 みずほ

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投資をするときのリスクの考え方

前回は、「お金を増やすために知っておきたい3つのキホン」についてお話しました。今回は、実際にどういった資産運用をすればよいのかをお話します。以下の図の横軸のお金の置き場所(アセットアロケーション)に対し、縦軸のアセットロケーション(資産クラス)の話を具体的に解説します。

資産配分とお金の置き場所

資産配分とお金の置き場所


リスクって何?

資産クラスには、リスクを取るリスク資産(株や投資信託、債券など)や、リスクをとらない無リスク資産(定期預金や個人向け国債など)があります。

リスクって何?

リスクって何?



まず、リスクとは何かということをお話しましょう。日常生活の中でリスクと言えば、危険という意味で使っていますが、投資においては、結果が不確実であることを意味します。

お金を増やすために、運用のサポートを得る場合、どのくらいリスクを取れるのか、つまり、その程度投資に回せるのかを考えなくてはなりません。

拙著『そこ、ハッキリ答えてください!「お金」の考え方このままでいいのか心配です。』(日本経済新聞出版社)の中で、共著者の経済評論家の山崎元さんがおっしゃっているのは、「リスクの大きさを決める最大の要因は財政的な強さ」だということです。 

リスクの具体的な考え方は後述しますが、リスクについては、必ずしもとる必要はなく、投資をすることが、自分にとって有利だと思う人がすればよいのです。リスクを取って投資をする方が、リターンが増える場合が多いし、投資はお金を働かせるのに適当な方法のひとつですが、それは絶対ではありません。経済的にも精神的にも、無理のない範囲で投資することが大切です。

どのくらいリスクがとれるのかを考える

以降、同書からの抜粋ですが、リスクをどのくらいとることができるのかを考えるとき、まず、1年間で最大ロスしてもいい金額を決めます。

例えば、最悪、200万円までということなら、運用によるロスは、最大でも3分の1と考え、

200万円×3=600万円 

600万円まで投資ができると考えます。

200万円のロスというは、将来、老後の生活費に対して360で割り算すると、月1万円以内の金額です。360というのは、老後を30年としたとき、30年×12ヶ月=360 ということです。

例えば、360万円ロスした場合は、

360万円÷360=1万円

ということで、月1万円老後の生活資金が減ると考えます。
200万円のロスだと、月に5500円くらい老後の生活費が減ることになります。

このくらいならば、さほど問題はないと考えるならば、その3倍の600万円まで投資をすればよいのです。360万円のロスまでなら構わないと考えるのならば、その3倍の1080万円まで投資をすることができます。

リターンというのは?

運用において、リターンとは、「投資収益(率)」のことです。先の「リスク」というは、「リターンのぶれ幅」ということになりますね。

例えば、株式投資をすると、前述したように、損をする可能性はあるけれど、逆に同じくらいの確率で4割くらい儲かる可能性があって、平均的には、5%くらいの利回りが得られるという風に考えます。

600万円をリスク資産において、期待リターン5%で順調に増えるとすると、年平均で30万円くらいです。10年間うまく増えると300万円くらいということです。

詳しくは拙著をお読みいただきたのですが、資産を確実に10年で倍にするようなうまい話はありません。

次回は、リスク資産の運用についてどう考えればよいのかをお話します。

【関連記事をチェック!】
1回目「お金って何?お金に振り回されないようにするためにはどうすればよいのか」
2回目「あなたの必要貯蓄率がわかる『人生設計の基本公式』」
3回目「今日から始めたい『貯蓄プロジェクト』」
4回目 どこで運用するかで大きな差がつく「お金の置き場所」
5回目「お金を増やすために知っておきたい3つのキホン」

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