パイオニアVCは2017年4月24日、学校向け授業支援ソフトの新製品「xSync Classroom」を発表した。教員や児童/生徒のパソコン/タブレットと電子黒板などを接続した環境で使うもので、教員がタブレットを持って机間を回りながら投影した教材に書き込みしたり、特定の児童/生徒の画面を映し出してクラス全員に見せたり、といった授業を可能にする(写真1)。2017年夏に発売する。

写真1●xSync Classroomの主な活用方法
写真1●xSync Classroomの主な活用方法
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 xSync Classroomの特徴の一つが、授業で使いやすいユーザーインタフェース。電子黒板事業などを通じて長年蓄積したノウハウを生かし、「普通教室で普通にICTを使えるようにすることを目指した」(同社)。

 例えば授業の中では、二つの動画を並べて再生する、教材スライドと写真を比較するなど、複数の教材を並べて提示するシーンがよくある。従来は操作に手間が掛かっていたが、xSync Classroomではコンテンツの一覧から目的のものを選択するだけで済むようにした(写真2)。特定の児童/生徒の画面をクラス全員に見せたいときも、当該の画面を指でスライドさせるだけでプロジェクターなどの提示装置に投影できる。

写真2●4種類の動画を並べて再生
写真2●4種類の動画を並べて再生
(出所:パイオニアVC)
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 教材を撮影しやすくするよう、カメラ機能にも工夫を凝らした。タブレットを用いる授業では、児童/生徒が自分のノートを撮影して教員に送信するなど、カメラ機能を使うことが多い。だが、「生徒がうまく撮影できないという声が学校からよく聞かれる」(同社)。タブレットをノートの真上にかざして撮ると光がさえぎられ、暗くなり手ぶれを起こしてしまうことなどが原因という。そこでxSync Classroomに、台形補正機能を搭載。斜めから撮影しても、黒の枠などを認識して自動的に長方形に補正する(写真3)。

写真3●ノートを撮影しているところ。黒枠を自動認識して台形補正する
写真3●ノートを撮影しているところ。黒枠を自動認識して台形補正する
(出所:パイオニアVC)
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 提示装置としては、電子黒板のほか、大型テレビやプロジェクターを利用できる。学校現場では従来型の黒板にプロジェクターを使って投影するケースが少なくないため、手軽に色を反転できる機能を用意した。緑色の黒板にも、黒い文字を白抜きで表示するといったことができるため、読みやすくなる。

 xSync Classroomの価格は契約によって異なるが、教員用ソフトは1ライセンス当たり10万円程度になる見込み。児童/生徒用ソフトは、50台まで接続する場合で20万円程度。対応OSは教員用がWindows 10、児童/生徒用がWindows 10/8.1で、今後順次拡充予定という。