クラウドサービスやIoT(インターネット・オブ・シングズ)の導入支援などを手掛けるウフルは2017年4月5日、IoTデバイスの通信料低減やセキュリティ性能の向上に向けて、セキュリティベンダーのZenmuTech(ゼンムテック)と業務提携した。両社はIoT機器に搭載することで、通信料を減らしたり、データの漏洩や改ざんを防止したりできるモジュール製品を開発する。発売時期は未定だが、IoTデバイスを管理する企業向けに提供する予定だ。

 両社の開発する製品はIoTデバイスにモジュールとして搭載し、データの通信量を制御できるようにする。取得したデータを全てクラウド上へ送信するのではなく、必要なデータだけを送信できる仕組みを持たせる。通信量を制御する技術は、ウフルが提供するIoTオーケストレーションサービス「enebular」を利用する。

ウフルが提供するIoTオーケストレーションサービス「enebular」
ウフルが提供するIoTオーケストレーションサービス「enebular」
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 従来もIoTデバイスの通信料を低減する方法として、低コストなLPWA(ローパワー・ワイドエリア)といった通信規格を採用する事例があったが、通信速度が低速なためクラウド上へ送信できるデータ量に制約があった。さらに、クラウド上へ送信しなかったデータをデバイス側に蓄積する場合、攻撃者によってデータを盗まれたり、改ざんされたりする恐れがある。

 そこでZenmuTechは、同社のセキュリティ技術「ZENMU」を利用して、データを安全に保管できるようにする。ZENMUは「秘密分散」と呼ばれる技術を応用して、データを複数に分散して暗号化する。全てのデータの分散片をそろえなければデータを復元できない特徴がある。IoTデバイスに適用することで、データの保管コストや漏洩リスクの低減が期待できるという。