FinTechベンチャーのKyash(キャッシュ)は2017年4月5日、スマートフォンを使って個人間で送金できるサービスを正式に始めた。割り勘をはじめとする個人同士のお金の支払いを、スマホのアプリだけで実施できる。手数料は無料。スマホに親しんでいる若年層を中心に、2020年に国内で1000万人の利用者獲得を目指す。

鷹取CEOは「学生の顧客を多く抱えるサービス事業者と、利用者拡大に向けた協業を検討している」と話す
鷹取CEOは「学生の顧客を多く抱えるサービス事業者と、利用者拡大に向けた協業を検討している」と話す
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 割り勘の精算、旅行やイベントの集金、贈り物の共同購入など、個人同士でお金をやり取りする作業を、スマホだけで済ませられる。2016年12月から、招待を受けた利用者に限ってサービスを提供するクローズドベータ版を提供していた。ギフトカードなどと同じ、資金決済に関する法律(資金決済法)が定める「前払式支払手段」と呼ぶ事業形態を採用。2017年1月には、金融庁より前払式支払手段(第三者型)の承認を受けた。

 利用登録する際に免許証などを使った本人確認は不要。アプリをスマホにインストールし、利用者名やパスワード、電話番号などを入力すれば登録が完了する。

 「お金のやり取りする行為をアップデートしたい」。鷹取真一代表取締役CEO(最高経営責任者)は、こう抱負を語った。「今までは現金を渡すか、銀行経由で送金するしかなかった。現金には物理的な制約があり、銀行送金は手数料がかかる。これらを改善して、お金の動き方をもっと自由にしていく」(同)。

 Kyashの支払いで得た金額をアプリ内に残高として蓄積し、今夏をめどに店舗での買い物の支払いに充当できるようにする。利用できるのはVisa加盟店。