「『ウォーキング・デッド』だと、ダリル派です」と明かす、まなてぃー

CM出演やコラム執筆などアダルト女優という枠を飛び越えて幅広い活躍を続ける紗倉まなが、『週刊プレイボーイ』本誌で連載中のコラム『白目むいちゃいました。』。

まなちゃんが、徒然(つれづれ)なるままに日々思うことをエッセイ風に綴(つづ)っていくコラムだが、今回は彼女が“鳥肌が立つほど怖いものについて語ってくれた。

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最近、アメリカのドラマ『ウォーキング・デッド』にハマってしまった。

もともと私は海外ドラマを一度も見たことがなかった。『24-TWENTY FOUR-』とか有名どころはわかるけど、それもタイトル止まり。海外ドラマの面白さについて熱弁する周りの人々にまったく共感できなかったのだ。

だから、『ウォーキング・デッド』にハマるだなんて、考えてもみなかった。ついに時代の波に乗ったような気がした。

キッカケは仲良しのメイクさんがオススメしてくれた、映画やドラマなどが定額で見放題になる「アマゾンプライム」への加入だった。ラインアップを見てみると、大好きな『クレヨンしんちゃん』の映画も全部そろっているし、思っていた以上に充実していた。っていうか、マジですごい。

その中に最近よく耳にする『ウォーキング・デッド』があったので、ふと選んだところ、深い穴に落ちたレベルでハマったというわけだ。

どのようなストーリーかというと、謎のウイルスが蔓延(まんえん)して、人間が次々にゾンビ化するという単純な話。死んでもゾンビになるし、噛(か)まれてもゾンビになる。

で、ゾンビになると、ゾンビは生きた人間を食う。ゾンビにはもう感情も記憶もないし、ただ人間を食べたいという強い欲望だけが唯一の原動力。それだけに突き動かされてずっとさまよっているのである。

ゾンビよりもぞくりとするものは…?

■日本がゾンビ化したら

タイトルの『ウォーキング・デッド』は「歩く死人」という日本訳もできるから、一見してゾンビのことを指しているような気がするけれど、実はそうではなくて、その「歩く死人」こそ、今も死んだように生き続けている人間たちのことでもあったりする。どんどんと深い話になっていくのだ。

ハマったおかげで、いつもは黙々と髪を切ってくれる美容師さんとも会話が増えた。

「渋谷にゾンビが出没したときのことを考えるんですよね」

と、美容師さんが語るので、「へえ、また面白いことを考えますね」と私も笑った。そうすると、「いや実は海外ドラマって意外と深くて、いつかそんな事態が起きるだろうという警告が含まれていることが多いんですよ」と言うのだ。

私がふむふむと聞いていると美容師さんの話は次第に白熱して、「まずは渋谷警察署で銃を確保して、その後、工具店に行って斧(おの)を調達する」という綿密な計画までうっかり教えてくれたのだった。

そうはいっても、やっぱりゾンビよりも人間のほうが断然恐ろしい。このドラマの裏テーマでもある。

生き抜くために思いもよらぬ裏切りがあったり、苦渋の決断での殺人や、秩序を守るための争い事や、それに伴う不幸の連鎖は、ゾンビ化するというアンリアルな部分を鮮やかに現実的に塗り替えて、一気に鳥肌を立たせてくれる。見ているだけで本当に人間不信になりそうな勢いでもある。

鳥肌といえば、担当編集者さんから来る締め切りの連絡ばかりは、ゾンビよりもぞくりとしてしまう。締め切りを越えたあたりから不吉な予感が漂って、寒気がする。

『ウォーキング・デッド シーズン7』も、今から待ち遠しくて仕方がないところだし、まだまだゾクゾクとした日々は続きそうです。

(撮影/河西 遼)

●紗倉まな1993年3月23日生まれ、千葉県出身。身長160cm、B89 W58 H89。『紗倉まな・野本ダイトリのどうしたらいいでしょうか?』(文化放送、毎週土曜28時~)、『TENGA茶屋』(FM大阪、毎週土曜25時30分~)に出演中。公式ツイッター【@sakuramana0000】