一般社団法人の日本民間放送連盟は2017年2月15日に「知的財産推進計画2017の策定に向けた意見募集」について知的財産戦略本部に意見を提出、2月20日にその内容を公表した。

 まず、イノベーション促進に向けた権利制限規定については、「居直り侵害」「思い込み侵害」を助長する可能性があることや、個別の権利制限規定で定められている利用上の制約や人権・プライバシーなどに配慮して報道機関が適宜慎重に取り扱っているものが、その意に反して利用されることが懸念されると指摘した。そのうえで、規定を導入する場合には、こうした懸念が払しょくされるように、関係権利者の意見を十分に踏まえて必要な措置を講じるように要望した。

 クリエーターや権利者への適切な対価還元の関連では、実態として機能していない現行の私的録画補償金制度を立て直すこと、あるいは新たな制度を創設することを要望した。

 放送コンテンツの違法配信への対応に関連しては、巧妙化・悪質化するアップローダーの摘発の一層の強化や、プロバイダの積極的な協力を得るために現行の法的責任範囲の再検討や一定の対応を行う義務を課すなど、権利者に過度の負荷がかからない仕組みを構築することなどを要望した。

 このほか、権利処理の円滑化に向けた集中管理の促進、コンテンツの海外展開の促進、WIPO「放送機関の保護に関する条約」への対応、アーカイブの利活用などについて意見を述べた。

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