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ネクソンが2016年度第4四半期決算説明会を開催。業績がゲーム市場の動向に左右されない理由を,オーウェン・マホニー社長がアピール
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印刷2017/02/11 19:15

業界動向

ネクソンが2016年度第4四半期決算説明会を開催。業績がゲーム市場の動向に左右されない理由を,オーウェン・マホニー社長がアピール

 ネクソンは2017年2月10日,同社の決算説明会を東京都内で開催し,2016年度第4四半期の業績および,2017年度第1四半期の業績見通しを発表した。本稿では,ネクソン 代表取締役社長オーウェン・マホニー氏による同社の事業展開に関するプレゼンテーションを中心に,説明会の模様をお伝えしよう。

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ネクソン 代表取締役社長 オーウェン・マホニー氏
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 説明会の冒頭,マホニー氏はネクソンの戦略およびゲーム市場における立ち位置についてのプレゼンテーションを行った。
 まず示されたのは,アジアのゲーム市場の規模と,同市場におけるネクソンのIPの価値である。マホニー氏によれば,ネクソンの株主には欧米の機関投資家が多く,それはつまり,アジアのゲーム市場におけるネクソンのリーダーシップが評価されているというわけである。

 マホニー氏は,プライスウォーターハウスクーパースや,ゲーム市場分析を手がけるNewZooの調査を元に,2016年のアジアのゲーム市場の売上が470億ドルで,欧米の460億ドルを超えていること,また,市場規模の成長率が欧米の2倍以上であることを示し,アジアが欧米と並ぶ巨大なゲーム市場となっているとした。

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 そうした状況の中,ネクソンは欧米の大手ゲーム企業と同様,人気の高いIPを擁している。例えば同社最大のIP「アラド戦記」は累計売上87億ドルを記録しているが,これは,映画でいえば「スター・ウォーズ」シリーズや「007」シリーズ最新作の世界累計の興行収入を超える金額であると述べる。

 マホニー氏は続いて,ネクソンが息の長いIPを保有していることをアピールした。2011年12月にネクソンが東京証券取引所1部に上場したときは,同社の2大IPである「メイプルストーリー」と「アラド戦記」の売上がいつ落ち込むのか,ということが問題視されたそうだが,実際には現在まで両タイトルは好調だ。具体的には「メイプルストーリー」の韓国における2016年度第4四半期の売上収益は2011年度第4四半期と比較して18%増加,また「アラド戦記」の全世界における売上規模は対2011年で2倍にもなったとのことで,マホニー氏は両タイトルとも「驚くほど安定している」と表現した。
 さらに,2015年にローンチした「DomiNations」も,2016年度第4四半期の売上規模が前年同期に比べて拡大し,収益性も改善しているという。この成績は巨額の広告宣伝費を投じたからではなく,ゲーム内容の改善と適切な運用サービスを行った結果であるとのこと。

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 こうした事例を踏まえてマホニー氏は,「オンラインゲームを長期にわたって育てていくこと」がネクソンの強みであるとした。つまり,オンラインゲームの長期運用で強固なコミュニティを形成することにより顧客の長期保持が可能となり,ゲーム寿命が短く,常に新規顧客の再獲得が必要なタイトルに比べて広告宣伝費などのコストを抑えられるというわけである。

 しかし,オンラインゲームを長期にわたって育てていくことは容易ではない。ネクソンでは,そのためにゲーム内イベントの実施や新コンテンツの投入,ユーザー分析やカスタマイズなど,無数の努力を行っているという。マホニー氏は,これらをうまく運用できる企業は世界でも少なく,ネクソンはその1社であるとの自信を示した。

 続いてマホニー氏は,ネクソンの今後の展開について述べた。それによると,過去2年半におよぶゲーム開発の結果,同社は2017年以降,新作タイトルのリリースラッシュを迎えるとのこと。
 それらは単に面白いだけでなく,「アラド戦記」などのような長期的成功を収めるために,これまでにないゲーム体験を提供するものだという。マホニー氏は,長く愛されるゲームについて「高い想像力と開発力から生まれた,遊び心のある試みの結果」とし,同社初のゲームタイトルであり,世界最古のMMORPGの一つである「風の王国」などを例に「ネクソンには,新たなプロダクツを生み出そうとしてきた長い歴史がある」と説明した。

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 そうした,長期にわたって運用されているタイトルがもたらすキャッシュフローは,ネクソンの新作タイトル開発の原資となっている。特定のタイトルについてヒットするかどうかを断言することは確かに難しいが,それでも多数の新作の開発を継続することは,同社の将来の選択肢を増やすことにつながっているとマホニー氏は語る。

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2017年以降ローンチ予定のネクソンの新作タイトル
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 最後にマホニー氏は,上記の内容をあらためてまとめ,ネクソンがゲーム市場の不確実性に左右されない理由として,「ゲーム市場に対する深い理解と,アジア市場における多大なる可能性」「長年にわたり顧客を魅了し続け,安定した収益源ともなるIP」「クリエイティブな開発を支える安定した収益源と,豊富な新作タイトルのパイプライン」の3つを挙げ,2017年以降ローンチ予定の新作タイトルを紹介して,プレゼンテーションを締めくくった。

ネクソン投資家向け公式サイト

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