アマゾンジャパンは2017年1月18日、スタートアップ企業の製品紹介やマーケティング・販売支援、配送サービスなどを提供する「Amazon Launchpad」を日本で開始した。アマゾンはスタートアップ企業の商品を特設サイト「Amazon Launchpadストア」で販売するほか、スタートアップ企業の運営に必要な各種ツールやコンサルティングサービス、資金の融資なども提供する。

アマゾンのスマートアップ向け支援サービス「Amazon Launchpad」の特設サイト
アマゾンのスマートアップ向け支援サービス「Amazon Launchpad」の特設サイト
(出所:アマゾンジャパン)
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 アマゾンは、100社以上のベンチャーキャピタルやクラウドファンディング企業などと協力して、契約するスタートアップ企業を募集する。日本では日本ベンチャーキャピタル協会やクラウドファンディングのMakuake、シードアクセラレーターのABBALabと協力する。スタートアップ企業にサービスを提供する見返りに、アマゾンは販売額に応じた手数料を受け取る。

 Amazon Launchpadで提供するサービスは、アマゾンの提供する出品管理ツールやスタートアップ向け講座の受講、フルフィルメント(商品販売代行)サービス、ブランド構築・商品認知度の向上、海外向け販売支援、運転資金の融資、サイトの運営支援などがある。アマゾンのAWSも利用できるため、ITシステムへの初期投資も抑えられる。スタートアップ企業はアマゾンのAWSや販売経路といったインフラを活用することで、迅速かつ低コストに事業を展開できる、という。

 アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は、「Amazon Launchpadでスタートアップ企業を発掘し、グローバル進出を後押しすることで起業文化を発展させたい」と話す。同氏は、これまでのスタートアップの大きな課題は販路の確保だったと分析。商品の販売までに販売店への営業活動や需要見込みなどが必要で、事業展開のネックになっていたという。

アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長
アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長
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 Amazon Launchpadを使うと、こうした課題を解消できるという。審査を通れば、アマゾンの販売サイトから消費者へ直接商品を訴求できる。商品をアマゾンが有する各地の倉庫に預けておけば、倉庫から直接商品を配送することも可能となる。

 現在、Amazon Launchpadストアでは日本のスタートアップ企業15社が提供するIoT機器やウエアラブルデバイス、スマート家電といった250以上の商品を購入できる。海外では欧米を中心に2015年から同サービスを開始しており、現在は1200社以上の商品を扱っている。