子どもにタブレットを使わせるか、使わせないか? 正しいのは? | RBB TODAY
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子どもにタブレットを使わせるか、使わせないか? 正しいのは?

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子どもにタブレットを使わせるか、使わせないか? 正しいのは?
  • 子どもにタブレットを使わせるか、使わせないか? 正しいのは?
©bramgino - Fotolia.com 電車の中や、家事で手が離せないからといって、幼い子どもが静かにしてくれているとは限らない。そんなときに味方になってくれるタブレット。早いうちからデジタル機器に親しみ、知育アプリで遊ぶことで、静かにしていてくれるだけでなく、教育にも役立つように思える。

ところが最近、Wall Street Journalで「子どものタブレットPC利用は禁止が最善」というタイトルの記事が発表され、話題になった。SNSなどで目にして「うちの子にタブレットを使わせてもいいの?」と不安を感じた子育てファミリーも多かったのではないだろうか。

「禁止」ではなく「年齢ごとに接し方は変えるべき」が正しい

先に種明かしをすると、話題になった記事のタイトルにある「禁止すべき」というのは言い過ぎで、「子どもの発達段階に応じて与えるコンテンツや、親の関わり方を変える必要がある」というのが正しい(実際本文にもそう書かれている)。米国小児学会が2016年の10月に発表した「子どもとデジタルメディアについてのガイドライン」の内容が紹介されており、「どのようにタブレットを使わせることが望ましいか」について、専門家の見地からアドバイスされている。

放置しないで「親が関わる」ことが大事

たとえば、子ども向けの良質なコンテンツを親子で一緒に見る、遠くにいる祖父母とビデオチャットを楽しむ、音楽を鳴らして一緒に踊る、子どもにもできる料理のレシピを楽しむ、工作のアイデアを見つけるなど、デジタルメディアは使い方によって子どもの教育に役立つ。

注意しなくてはいけないのは、親のチェックが行き届いていないコンテンツを勝手に見たり、アプリを使ったりすること。そしてもうひとつが「使い過ぎ」だ。長時間の使い過ぎは、睡眠の質を低下させ、心身の成長を阻害する。

「子どもにタブレットを与えてそのまま放置するのではなく、子どもの成長段階に合わせて適切なコンテンツやアプリを選び、タブレットを使うときに付き添うなど、親がきちんと関わることが重要である」ということだ。特に3歳以下の子どもの場合には、親が一緒に見て、親子が実在する現実世界と、画面の中の世界との関わりを親が解説してあげるべきだという。

©georgerudy - Fotolia.com 年齢別のルールを守ろう

では具体的に、どうすればよいのか? ガイドラインの内容の一部を箇条書きで紹介しよう。

・18カ月までの子どもについては、祖父母などのビデオチャットを除いては使用禁止が望ましい。
・18カ月から24カ月の子どもについては、ビデオチャットに加えて、良質なコンテンツを親と共に見るのであればよい。それ以外は使用禁止が望ましい。
・2歳児から5歳児までについては、1日1時間以内の使用にとどめ、親が一緒に見ることが望ましい。
・6歳以上の子どもについては、1日1時間の制限はそのまま。(親が一緒についている必要はないが)特に睡眠や運動など、子どもの健康に必要な行動時間をタブレットで費やすことがないよう、気をつける。
また、全年代で共通のルールとして、「就寝時間の1時間前にはタブレットのスイッチを切る」「食事の時間や、親子で遊ぶ時間にも、タブレットやスマートフォンの画面を持ち込まない」というのが基本になる。

「いまどきの子どもはタブレットやスマートフォンを使えないと、よその子に比べて遅れをとってしまう」という気持ちになる親は少なくないそうで、実際にそれが心配で子どもにタブレットを与える親もいる。しかし、専門家は、「子どもは最近の直観的なインターフェイスのデジタル機器をすぐに使いこなせるので、遅れてしまうという心配は必要ない」とアドバイスしている。それよりも、子どもがきちんとタブレットの使い方の約束を理解し、守れるようになってから与えることが大切だということだろう。

©Tom Wang - Fotolia.com 1日1時間って、そんなに厳しくない

さて、ここまで見てきた読者の皆さんは、「1日1時間は短すぎる」と思われるかもしれない。はたしてそうなのかを確かめられるのが、同学会の運営するhealthychidren.orgというサイトに掲載された「Family Media Plan」というページだ。

「Media Time Calculator」というコンテンツでは、子どもがどのくらい1日にデジタルメディアのために時間を使えるかをシミュレーションできる。使い方は簡単で、年齢ごとに睡眠時間が設定されており、残りの時間に学校、宿題、食事、読書、家のお手伝い・・・・・・など、子どもがしなくてはいけないことをする時間を設定していく。すると、デジタルメディアに使える時間は1日に30分もないことを、親も子どもも思い知るという、単純な仕掛けだ。

「1日1時間」の制限はとても厳しく思えるが、それ以上タブレットを使っていると、ほかの活動に充てる時間を削るしかないことが実感できるようになっている。「1時間なんて短すぎる!」という子どもも、一緒にやってみれば(しぶしぶでも)納得するはずだ。冬休みの前に、我が家のルールづくりを話し合おう。


WirelessWire News編集部
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