多くの歯車が使われており、最古のアナログコンピュータと呼ぶ人もいます。
太陽、月、その他の天体の位置や古代ギリシャの五輪の開催日を示します。
1901年に沈没船から回収され、1951年から科学史家による、系統的調査が始まっていますが、現在でもまだ謎が多い機械です。
そんなアンティキティラ島の機械に関して、また新たな発見が報告されました。
地球が太陽の周りを回る軌道は、円ではなく楕円のため、地球から太陽を見ると、太陽の速度は変化しているように見えます。ある季節には太陽は早足で動き、他の季節にはゆっくり動くというように。
月でも同じ現象が起きます。アンティキティラ島の機械は月の楕円軌道に関しては、この微妙な狂いを2つの小さな歯車で修正できるようにしています。
しかし、太陽の楕円軌道が引き起こす差異は、月よりももっともっと微妙なので、歯車は(もし存在したと仮定すると)もっと小さい歯車である必要があります。
しかし、そこまで小さすぎる部品は実際的ではないので、太陽の楕円軌道を計算するには、もっと別の機構があったのではないかというのが今回の発見です。
それはとても幾何学的な機構です。
Puget Sound大学の科学史家であるJames Evansとその同僚らは、太陽が動く速度の変化に対応するのに、もっとシンプルな方法を使ったのではないかという説を提唱しています。左の画像が「歯車の中心をずらした」イメージです。Evansの提唱するこのモデルにはまだ議論の余地があるものの、この説はX線の検査でもある程度までは裏付けられています。歯車の中心をずらすと、中心から歯車の外周までの幅はそれぞれ異なることになります。これで歯車は同じ速度で動いていても、太陽の針の速度を変化させることができます。このようにして、おうし座の季節は天秤座の季節よりも太陽の針がゆっくり動くようしていたのではないでしょうか。
[Wired]
確実なことは、紀元前100年という大昔に作られたガジェットが未だに驚きと発見に満ちているということです。
ロマンのある話ですね。
このまま、沢山の謎が解き明かされていくのを期待します!
[Wired]
Jack Loftus (原文/mio)