ツアー本格参戦1年目の13年以来ツアー優勝から遠ざかっている比嘉真美子(23=ジブラルタ生命保険)が、首位に4打差の2位に浮上した。

 午前中の雨と風が出たことで難易度が若干増したコースで、8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算16アンダー。首位のテレサ・ルーが67で通算20アンダーまでスコアを伸ばしただけに「バーディーを取っても取っても追いつかないんですよね」と苦笑いを浮かべたが、表情は明るかった。

 13年に史上4人目となる「10代2勝」をマーク。次代の賞金女王候補とされたのもつかの間、昨季は賞金ランク95位に沈み、シードを手放した。体のバネを生かしたパワフルなショットが持ち味にもかかわらず、ドライバーに悩み始め、プレー全体のリズムを壊し、極度のスランプに陥った。

 今季も前半戦は予選落ちが続いたものの、ドライバーの代わりに3番ウッドを多用するなどスコアメークに工夫を凝らした。徐々にドライバーの不調も克服、前戦までの直近10戦でトップ10を4度重ね、今大会を前に賞金ランク43位としてシード返り咲きを確定的にし、トンネルを脱した。

 プロデビュー前からの強気な言動も帰ってきた。この日も口癖だった「出場エントリーするからには、優勝を狙う気持ちがないとダメ」という言葉が口を突いた。「しんどかったし、つらかった。正直、逃げ出したい時もありました。今はツアーに出られることが、いかに幸せかを感じています」。最終日の4打差逆転にはチャージが不可欠だ。「残り18ホールあるので(バーディーの)チャンスは18回あると思いたいです」。3年ぶりの3勝目へ、意欲満々だった。