米国のインターネット広告業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)が現地時間2016年11月10日に公表したリポートによると、中国ではスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器ユーザー(18歳以上)の67%が過去1年間にモバイル機器でインターネット通販を利用した。一方米国では、モバイル機器ユーザーは34%しかモバイルショッピングを利用していない。

 さらにモバイルショッピングを毎日利用するユーザーの比率を見ると、中国が24%で、米国が15%だった。モバイル機器に加えて、パソコンなどのインターネットに接続できる機器全体のユーザーで比較すると、中国は89%であるのに対して米国は84%と大きな差はなかった。

 中国では1カ月の買い物に占める、インターネットによる買い物の比率が59%で、米国の42%を上回る。このうちモバイル端末経由の買い物の比率は48%。この比率は米国では26%だった。

 このほかIABは、中国では人気のあるeコマースのサイトやアプリに米国と異なる傾向があるとも報告している。例えば中国ではディスカウントを目玉にしているサイト/アプリからの購入が多く(中国ではeコマース利用者の63%、米国では同37%)、価格を比較できるサイト/アプリからの購入も多い(中国51%、米国29%)。また中国ではメッセージングアプリで商品を購入する人の割合も高い(中国29%、米国16%)。

 一方で、中国、米国の利用者はともに、eコマースの安全性に関して懸念を抱いており、この点で依然課題が残るとIABは指摘している。eコマースが完全に安全だと考える人は中国では13%、米国では30%にとどまる。ただ、その懸念の内容は両国で異なるという。米国では情報管理の安全性やプライバシーに関する懸念が多い。これに対し中国ではオンライン詐欺や不正行為を危惧する人が多いという。

 この調査は2016年9月19日~10月12日の期間、18歳以上のインターネット利用者を対象に実施し、中国、米国のそれぞれで1000人から回答を集めた。

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