2016年10月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2016」で、ブラザー販売がスマホやタブレットにも対応したWeb会議システムを展示していた。
ブラザー販売が展示していたのは「Omnijoin」というWeb会議サービス。新製品ではないが、同社のプリンターや複合機などと同様に、中小企業での導入が多いという。ブースで説明を担当していたブラザー工業 Omnijoin担当課長 古橋雅彦氏に製品の特徴などを聞いてみた。
Omnijoinの特徴は大きく3つだという。一つは高画質・高音質。次に使いやすいユーザーインタフェース。三つめはクラウドサービスによるローコストだ。
高画質・高音質は単に解像度やサンプリングレートが高いだけではなく、「デバイスの画面サイズ、回線の混雑状況などを判断しながら、データの圧縮、使用する帯域幅を制御するので、通信環境を問わずブロックノイズ、音飛び、フリーズを抑える」(古橋氏)機能を実装している。会場から実際に名古屋のオフィスをつないでWeb会議のデモをしていたが、確かにブロックノイズやフレーム落ちはほとんど発生していなかった。
画面構成はシンプル。つながった拠点のマルチスクリーン画面、参加ユーザーやステータスを表示するメニュー、アプリケーションやファイルの共有画面など、タブやツールバーを使って任意にレイアウトしたり表示を切り替えたりできる。
機能面では、ファイル共有やアプリケーションの共有機能が充実していた。ファイルや画面のデスクトップを共有できるだけでなく、「Word」や「Excel」などのファイルを参加者で同時編集も可能だ。簡単なペンツールもあるので、表示したファイルへのマーキングなども可能だ。
会議に必要なスピーカーやマイク、カメラはPC内蔵か外付けの汎用品が利用できる。Omnijoinの機能は全てクラウド上のサービスを利用するので、導入にあたりハードやソフトの追加投資はほぼ必要ない。アカウント数に応じた月額利用料のみだ。
PCからは標準的なブラウザーからアクセスするが、iOS、Android用のOmnijoinアプリも用意されている。スマートフォンやタブレットでの会議開催、参加も可能だ。古橋氏は「オフィスでのWeb会議だけでなく、モバイルデバイスを活用した農業や屋外での利用を広げていきたい」とも語る。
例えば、農場など現場とリアルタイムでつないだ会議だ。学校の遠隔授業への応用では、東洋大学のインターネット通学制度に利用されているという。また、スポーツ用品チェーンのヒマラヤでは、150人規模店長会議をOmnijoinで実現している。