Qualcomm，世界初の5Gモデム「Snapdragon X50 5G Modem」を発表

　2016年10月18日，現在香港で開催されているQualcomm 4G/5G SummitでQualcommは，世界初となる5G（第5世代移動通信システム）に対応したモデムソリューション「Snapdragon X50 5G Modem」を発表した。これはモデム，トランシーバ，電源制御チップから構成される製品だ。

　5Gは，簡単に言えば次世代の移動通信技術で，現在の携帯電話で使われている4G技術から通信量を大きく引き上げる次世代規格である。対応アンテナ数を増やし，使用帯域を広げ，さらに高周波数帯の電波で情報量を上げて，それに伴う通信領域の狭さを非常にたくさんのアンテナと電波技術でカバーしようというのが骨子となっている。データ通信速度を大きく上げるとともに，データのレイテンシを下げる技術でもあり，ゲーム業界にとっても期待の星といえるだろう。

　X50 5G Modemは，28GHz帯のミリ波を利用し，ビームフォーミング＆ビームトラッキング（通信が安定する方向に電波を発する技術）などで，見通しの悪い場所でも5Gの通信を可能にするという。使用する帯域幅は100MHz×8＝800MHz分で，下り方向で最大5Gbpsの通信が可能となっている。従来の1Gbpsを実現していたGigabit LTE技術が，20MHz幅のビーム3本を束ねて通信していたのに対し，100MHz幅のビーム8本を使用する仕様だ。


　Snapdragon X50 5G Modemは，2017年後半からサンプル提供が始まり，同モデムを搭載した最初の商用製品は2018年前半に登場する見込みだ。

Qualcommプレスリリース