アドビシステムズは2016年10月17日、PDF文書を作成する「Adobe Acrobat」や、PDF文書への電子署名機能を提供する「Adobe Sign」で構成するクラウドサービス「Adobe Document Cloud」を強化し、Adobe Sign新版の提供を開始した。新版は国内利用者のコンプライアンス需要を満たす機能強化を施した。

 Adobe Signは紙の文書に押印して回覧するという既存の業務プロセスをデジタル化できるようにする製品。主な機能はPDF文書に電子署名を施す機能と、電子署名を用いた文書の承認ワークフロー機能である。電子署名する際は、誰が署名したかを分かるように、キーボードから氏名を入力したり、手書き文字のイメージを重ねて表示したりできる。

 新バージョンは国内のデータセンターからクラウドサービスで提供できるようにした。文書を海外データセンターに転送しなくても済むようになるため、国内利用者のコンプライアンス(内部統制)需要を満たせるようになったという。

 操作性も強化した。署名者が誰なのかを目で見て判断できる表示機能を強化し、キーボードでの文字入力や手書き文字の表示に加えて、印影などのイメージデータを利用できるようにした。

 アプリケーションの操作画面を改善。フィールドやページレイアウトを編集しやすくしたほか、入力フォームの作成と送信のプロセスを簡単にしたという。

 新版の提供開始に合わせて、Adobe Signを含んだAdobe Document Cloudの導入支援サービスも新たに開始。管理者向けのトレーニングや運用計画支援などを無償で提供する。さらに、ワークフローの設計支援などのコンサルティングサービスを有償で提供するとした。