米運輸省(DOT)、米連邦航空局(FAA)、米パイプライン・有害物質安全局(PHMSA)は現地時間2016年10月14日、韓国Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy Note7」を航空機内に持ち込むことを禁じる緊急命令を発表した。

 同命令は、米東部時間10月15日正午に発効する。航空機の利用客は、Galaxy Note7を携帯して、あるいは受託手荷物に入れて搭乗してはならない。国内便のほか、米国から他国、他国から米国を目的地とする航空機で禁じられ、すべてのGalaxy Note7が対象となる。航空貨物での運搬も禁止する。

 Galaxy Note7は、8月19日にリリースされるとバッテリー過熱や発火などの不具合報告が相次ぎ、9月より世界で250万台を対象とする回収・交換プログラムが実施された。しかし交換後の端末による発火事故が複数報告され、Samsungは10月11日にGalaxy Note7の生産打ち切りを決定した(関連記事:Samsung、「Galaxy Note7」の恒久的な生産中止を決定)。米国ではリコール対象を190万台に拡大し、返金や他の端末への交換といった対応を進めている(関連記事:Samsung、米国での「Galaxy Note7」リコール対象が190万台に拡大)。

 同命令により、Galaxy Note7を機内に持ち込もうとした利用者は、搭乗を拒否される。同命令に違反した場合、刑事訴追される可能性がある。

 英BBCの報道によると、ドイツのAir Berlin、中国(香港)Dragonair、オーストラリアのVirgin Australia、シンガポールのSingapore Airlinesなども、同様の禁止措置を発表している。

 日本でも、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)が、国土交通省航空局の指示により10月15日からGalaxy Note7の輸送を禁止している。

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