韓国Samsung Electronicsは現地時間2016年10月13日、生産中止を決めたスマートフォン「Galaxy Note7」について、米国向け自主回収プログラムの拡大を発表した。米消費者製品安全委員会(CPSC)の承認を得た新たなプログラムでは、交換後のGalaxy Note7も対象に含める。

 SamsungはGalaxy Note7を8月19日にリリースしたが、バッテリー過熱や発火などの不具合報告が相次ぎ、世界で250万台を対象とする回収・交換プログラムを実施した。しかし交換後の端末による発火事故が複数報告され、Samsungは10月11日にGalaxy Note7の生産打ち切りを決定した(関連記事:Samsung、「Galaxy Note7」の恒久的な生産中止を決定)。

 米国ではCPSCとの連係のもと、9月15日に100万台を対象とする正式リコールを発表し(関連記事:Samsungの「Galaxy Note7」が米国で正式リコール、対象は100万台)、返金や機種変更に応じていた。自主回収プログラムの拡大により、未交換および交換済みを含む190万台が対象となる。

 CPSCによると、米国ではGalaxy Note7のバッテリー過熱報告が96件あり、そのうち23件は9月15日以降のものだという。

 10月13日に開始する新たな自主回収プログラムでは、他のSamsung製端末に変更するユーザーには最大100ドル相当のクレジットが付与される。端末購入代金の払戻を受けるユーザーや他社製スマートフォンに変更するユーザーには25ドル相当のクレジットを提供する。

 当初の自主回収プログラムで他のSamsung製端末に変更してすでに25ドル相当のクレジットを受け取っているユーザーには75ドル分のクレジットが与えられる。

 Samsungは同社製品を使い続ける人に100ドルを払うことによって、ユーザーのロイヤリティーを確保したい考えだと、米メディア(TechCrunchCNET)は指摘している。

 韓国の通信社Yonhap News Agencyによると、韓国向けの自主回収プログラムでは、Samsung製端末に変更するユーザーには3万ウオン(約27ドル)相当のクレジットが付与され、交換機種が「Galaxy S7」や「Galaxy S7 Edge」といった最新モデルの場合は7万ウオン(約62ドル)相当を受け取れる。Galaxy Note7購入時の特典として無償で入手したフィットネストラッカー「Gear Fit 2」は返還する必要がない。

[発表資料(Samsungのプレスリリース1)]
[発表資料(Samsungのプレスリリース2)]
[発表資料(CPSCのプレスリリース)]