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EVOブランドを世界へ――本家EVOキーマン,Mr.Wizard氏とMarkMan氏が語るEVO Japan,その抱負と展望
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印刷2016/10/13 11:30

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EVOブランドを世界へ――本家EVOキーマン,Mr.Wizard氏とMarkMan氏が語るEVO Japan,その抱負と展望

 東京ゲームショウ2016(以下,TGS 2016)の初日,2016年9月15日に開催されたプレスカンファレンスにて,対戦格闘ゲームの世界大会「Evolution Championship Series Japan」(通称,EVO Japan)の情報が公開された。
 カンファレンスの速報では,本家EVOを主催するTriple Perfectと,国内に発足したEVO Japan実行委員会との共同で,2018年1月の開催を目指して準備が進められていることをお伝えしたわけだが,今回はその本家EVOのキーマンである2人――Joey “Mr.Wizard” Cuellar氏Mark “MarkMan” Julio氏へのインタビューをお届けしたい。

※Check this article in English.

Triple Perfect CEOのJoey “Mr.Wizard” Cuellar氏(右)と,同Global Business Development ManagerのMark “MarkMan” Julio氏(左)
画像集 No.001のサムネイル画像 / EVOブランドを世界へ――本家EVOキーマン,Mr.Wizard氏とMarkMan氏が語るEVO Japan,その抱負と展望

 なお,本件についてはAetas(4Gamer)も実行委員会へ名を連ねているわけで,若干やりにくさはあるのだが,本稿ではあくまで第三者としての立場で,EVO Japan開催に向けての抱負や展望を聞いてみた。また本家EVOについての話題もあるので,先に掲載している関連記事と合わせて,TGS 2016を振り返るつもりで読み進めていただければ幸いだ。

■関連記事

EVO Japan公式サイト



ラスベガスから日本へ。世界を目指すEVOブランド


4Gamer:
 お時間をいただきありがとうございます。お二人は今回,EVO JAPANのプレスカンファレンスを目的とした来日となりましたが,まず東京ゲームショウ2016全体の感想から聞かせてください。

Joey “Mr.Wizard” Cuellar氏(以下,Mr.Wizard氏):
 ビジネスデイに業界関係者がたくさん来るのは,どこのショーでも同じだけど,パブリックデイにあれほどのお客さんが来るというのは正直驚いたね。ホテルから行列を見ていたんだけど,1時間経っても列がなくならない。熱狂的なゲームファンが,しかもあんなに朝早くから集まっているというのは,とてもインパクトのある光景だったよ。

4Gamer:
 E3といった北米のゲームショウは,徐々にファン向けのメガショウではなくなってきていますものね。では,プレスカンファレンスについてはいかがでしたか?

Mr.Wizard氏:
 我々がこれまで経験したことのない,フォーマルなタイプのカンファレンスだったから,ちょっと気を遣ったね(笑)。本家EVOの発表会は,いつももっとカジュアルなスタイルだから。メディア対応とか,事前に準備しなくちゃいけないことも多くて,そこが大変だったかな。

9月15日に開催されたプレスカンファレンスでは,EVO Japanの開催時期が2018年1月になること。2017年1月に具体的な会場が明らかにされること,また2017年7月のEVO 2017にてメインの競技種目が発表となることが明らかにされた。また本大会に先んじたプレ大会も,2017年内を目処に開催されるという
画像集 No.004のサムネイル画像 / EVOブランドを世界へ――本家EVOキーマン,Mr.Wizard氏とMarkMan氏が語るEVO Japan,その抱負と展望

4Gamer:
 日本のゲームファン達は,EVO Japanの発表内容に概ね好意的なようでしたが,英語圏ではどんな空気なのでしょうか。

Mr.Wizard氏:
 日本と同じく,とても好意的に受け止められているみたいだよ。EVO JAPANの開催に多くの人が興奮していて,もっと情報が欲しいと言っている。とくに,「いつ,どこで,どのタイトルで」というところに,話題が集中しているね。

Mark “MarkMan” Julio氏(以下,MarkMan氏):
 ネガティブな声も一部にはあるけれど,ほとんど気にならないレベルです。多くの人にとっては,これが初めて日本を訪れる機会になるはずなので,とにかくいつどこでやるのかを早く知りたいって。

4Gamer:
 その「いつ,どこで」という部分なんですが,実際のところどういうところがよいとお考えですか? 今回のカンファレンスでは,開催時期は2018年1月になると発表されたわけですが,場所選定に関する現在の進捗をどのように捉えているんでしょうか。

Mr.Wizard氏:
 最後に決めるのは,我々じゃなくて日本の実行委員会だけどね(笑)。
 ただ,日本で開催するために,解決しなければならない法的な問題や,世界中のプレイヤーが盛り上がれるタイトルの選定など,やるべきことがたくさんあるってことは,分かってもらいたいかな。我々も北米に戻ったら,それらに向き合って,一つずつ片付けていかなくちゃならない。

4Gamer:
 それが,開催を1年半後に設定した理由ということですね?

Mr.Wizard氏:
 そうだね。参考までに,ラスベガスのEVOについて話すと,まず重要なのは会場を選ぶこと。開催地はもちろんラスベガスだけど,その中のどの会場にするのかまで決めなくちゃいけない。その次が日程で,それからどのゲームを選ぶかを決めることになる。ここまで決まってしまえば,後はどうにでもなるからね。

MarkMan氏:
 それに加えて,EVO Japanでは,とくに賞金周りの法律を確認してクリアにする必要がある。また配信における権利処理など,オリジナルのEVOではすでに解決済みの問題を,日本の実行委員会と共に一から調整していかなくてはならない。そのために,どうしても少し時間がかかってしまうんです。

4Gamer:
 分かりました。ちなみにカンファレンスでは,MarkMan氏はEVOの運営母体であるTriple PerfectのGlobal Business Development Managerと紹介されていました。これは具体的にはどのようなお仕事なのでしょうか。

MarkMan氏:
 あまり詳しくは答えられないけど,これまでのゲーム業界でのキャリアに準じたポジション,とでも言ばいいのかな。デベロッパやパブリッシャと交渉し,EVOを共に盛り上げていくためのコネクションを築いていく役割です。

4Gamer:
 MarkMan氏といえば,2016年2月にMad Catzを退職し,EVOに参画したというニュースが記憶に新しいところです(関連記事)。

MarkMan氏:
 ラスベガスのEVOを見てもらえば分かるように,このシーンをより大きくしていくためには,大手パブリッシャだけでなく,ゲームビジネスに関わるさまざまなメーカーとうまく関係を作っていく必要がある。それが自分の仕事だと思っています。

4Gamer:
 なるほど。ではEVO Japanも,そうしたシーンをより大きくしていくための取り組みの一つというわけですね。

Mr.Wizard氏:
 そう。EVO Japanにおける我々のミッションは,これまで20年にわたって育ててきたEVOというイベントを,多くの人に知ってもらうことにある。そして,それを必ず成功させるために,これまでのノウハウを提供したり,ときには自ら動いたりもする。つまり,EVO Japanにおいては監修が我々の仕事ということになるのかな。

カンファレンスの後半では,実行委員長の金子紀幸氏(右)から,EVO Japanの大会コンセプトの説明が行われた。“コミュニティをひとつに”というスローガンの元,日本国内の格闘ゲームコミュニティの賛同を得て,コミュニティベースの大会を目指すとのこと。その象徴が運営委員に名を連ねるGODSGARDENの稲葉央明氏(左)と,TOPANGAの豊田風佑氏(中央)というわけだ
画像集 No.006のサムネイル画像 / EVOブランドを世界へ――本家EVOキーマン,Mr.Wizard氏とMarkMan氏が語るEVO Japan,その抱負と展望

4Gamer:
 分かりました。ところで,このTriple Perfectという社名は,どういう意味なんでしょうか。格闘ゲーム情報サイトのShoryuken.comを運営するSRKXから,EVO関連の部門が分離した形とのことですが。

Mr.Wizard氏:
 格闘ゲームの“P(パーフェクト)勝ち”×3という意味だね。
 実は,EVOがまだそれほど大きな規模ではなかった10年くらい前は,運営団体はは“Double Perfect”という名前だったんだ。これは主要メンバーが2人だったことに由来するんだけど,現在は自分が加わって3人になった。だからトリプルPに進化したってワケ(笑)。

※EVOの創設者であるCanon兄弟――Tom Cannon氏とTony Cannon氏のこと。オンライン対戦で広く用いられているネットコード,GGPOの開発者としても知られており,現在はRiot Gamesに籍を置いている。

4Gamer:
 今年の7月に行われた,EVO2016について聞かせてください。同イベントでは,1〜2日目と最終日で,会場が異なるという試みが,初めて行われました。どうしてあのような形になったのでしょうか。

Mr.Wizard氏:
 理由としては単純で,参加者があまりに増えてしまったから。規模が大きくなって,一つの会場ではまかないきれなくなりつつある問題が元々あったところに,初の競技種目となった「ストリートファイターV」PS4 / PC)へのエントリーが爆発してしまい。とてもじゃないけど一つの会場に収まりきらないと判明したところで,我々なりのベストを模索した結果,あの二つの会場になったんだ。

MarkMan氏:
 ただ,これに賛否両論があることも,我々は理解しています。会場を分けたことによって移動は面倒になるし,最終日に間違えて初日の会場に来てしまった人もいた。誰もが満足できる結果とは言えなかったけれど,それでも決断せざるを得なかったという感じですね。

最終日の会場となった,Mandalay Bay Events Center
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4Gamer:
 例えばEVO Japanでも,EVO2016のように会場を分ける可能性は考えられますか。とくに東京の場合,ラスベガス以上に会場の選択肢が限られることにもなりますし。

MarkMan氏:
 我々が今年経験したように,会場を分けるのはとても大変ではあるけれど,それによってイベントが盛り上がるのであれば,チャレンジする価値はあるでしょう。もちろん,現時点ではあくまで一つの可能性ですけどね。

4Gamer:
 もう一つ,今回の発表の反響を見ると,格闘ゲームのコミュニティはもちろんのこと,例えばパズルゲームやカードゲームといった,そのほかのジャンルのコミュニティからも,EVO Japanへの期待が集まっていたように感じられました。本家EVOの主催者としては,こうした異ジャンルのタイトルを,どこまで許容できるとお考えですか。

Mr.Wizard氏:
 明確に言えるのは,タイトルについて「これはやらない」というものはないってことだね。プレイしていて楽しい,そして周りが見ていて楽しいゲームなら,なんでもいい。例えば,日本のアーケードには,ちゃぶ台返しをするだけのゲームがあるけど,ああいいうのだってアリだと思うな(笑)。

MarkMan氏:
 EVO2006では,「マリオカート DS」がメインタイトルだったわけだしね(関連記事)。例えメインタイトルに選ばれなかったとしても,皆で集まって自由に対戦する場を設けられるなら,面白いじゃないか(笑)。

4Gamer:
 では最後にEVO,そしてEVO Japanに期待している日本のファンに向けて,メッセージをいただけますか。

MarkMan氏:
 過去日本で開催された格闘ゲームのイベントには,自分自身,何度も参加していますし,そうした日本のプレイヤーやコミュニティの想いの強さは,十分に理解しているつもりです。EVO Japanではそうした力を一つにまとめ,さらに世界中からゲームファンが集ってくるような,大きく強いイベントを作っていきたいと思っています。

Mr.Wizard氏:
 EVOというイベントは,皆に参加してもらうことで成立するイベントなんだ。我々はそれをサポートする役割であり,とにかく楽しんでもらうための努力を続けていこうと思ってる。少し先にはなるけど,2018年の1月のEVO Japanを成功させることが,次につながる第一歩だと思っているので,当日はぜひ会場に遊びにきてほしいね。

4Gamer:
 本日はありがとうございました!

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EVO Japan公式サイト

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