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2016年10月12日(水)

『チェンクロ』松永ディレクターに“絆の新大陸 Sequels”や『チェンクロ3』について直撃インタビュー!

文:まり蔵

 セガゲームスがサービス展開するiOS/Android用RPG『チェインクロニクル ~絆の新大陸~』のシリーズ総合ディレクター・松永純氏にインタビューを行いました!

『チェンクロ』

 7月31日に開催された『チェンクロ』の3周年記念イベント“「絆の大感謝祭」ファンミーティング2016”。この重大発表ステージで発表された、第2部の後日談“絆の新大陸 Sequels 義勇軍メンバー篇”が10月11日より実装されました。

 新シナリオ実装にあわせて、松永純ディレクターにお話を伺いました。“絆の新大陸 Sequels”の今後の展開をはじめ、今冬配信予定の『チェインクロニクル3(以下チェンクロ3)』についてもガッツリ語っていただきましたので、ぜひぜひご覧ください!

『チェンクロ』
▲『チェインクロニクル』シリーズ総合ディレクター・松永純氏。

“絆の新大陸 Sequels”は後日談であるとともに『チェンクロ3』へつながる内容に

――そもそも“絆の新大陸 Sequels”はどのような経緯で立ち上がったのでしょうか?

 第1部のとき、ひと通り外伝シリーズをやらせていただいたので、第2部もそういった後日談的なお話をやりたいなという話をチームでしていたんです。とはいえ、各大陸の外伝にあたるものはチェインストーリーでやっていたので、さらに一歩進んだものを第2部ではやろうと考えました。

 そこでリヴェラ一行や義勇軍など、大陸ごとではなく、エンディング後の各グループの本当の意味での後日談を大々的に描こうと“Sequels”シリーズを立ち上げました。

――エピソードは、現在配信されているものを含めて全部で4つ(リヴェラ篇、義勇軍メンバー篇、リリス・テレサ篇、主人公・フィーナ篇)でしょうか?

 そうです。残り2つを配信したら、いよいよ『チェンクロ3』に入ります。第1部の外伝は第2部が始まるまでに終わらなかったんですよね。なので、今回はきっちり『チェンクロ3』が始まるまでに収めようと思っています。

――エピソードの順番はどうなるのでしょうか?

 “リヴェラ篇”→“義勇軍メンバー篇”→“リリス・テレサ篇”→“主人公・フィーナ篇”の順番になります。

――最初に“リヴェラ篇”を持ってこられた意図は?

 Sequelsは後日談であると同時に、『チェンクロ3』のプロローグになっている部分もあるんです。そこの情報量の差で順番をつけています。リヴェラが一番純粋な後日談で、彼女たちが巻き込まれる事件自体が先日始まった“深淵の渦”のモチーフになっているというリンクはあるのですが、それ以外の『チェンクロ3』に直でかかわるような話は入っていません。

 回を重ねるごとに『チェンクロ3』につながるような伏線やファクターが増えていくような構造になっています。第2部の余韻を味わいながら、次はどうなるんだとドキドキできるようになっていますので、次回作に期待していただく意味でも、改めてSequelsを楽しんでもらえるといいなと思っています。

――個人的には、新イラストが公開された“リリス・テレサ篇”が一番『チェンクロ3』に近いのかなと感じていたのですが。

 そうですね。“リリス・テレサ篇”は2人が成長した姿で登場するというところも含めて、とても『チェンクロ3』の空気が濃いのですが、でも締めはやはり主人公とフィーナでしょうというところで、この順番にしました。時系列的にも、そこだけ前後する形になります。“リリス・テレサ篇”は第2部の後日談というよりは、第1部から『チェンクロ3』へとつながっていく話になっているので、やはり締めはきっちり第2部の後日談と言える物語にしたいなというのがありました。

 もちろん、“主人公・フィーナ篇”も次につながる大きな伏線がドカンと入っているので、後日談としてもプロローグとしても楽しんでもらえると思います!

『チェンクロ』

“義勇軍メンバー篇”はフルメンバー総出演でお祭り騒ぎ!

――それでは次に、エピソード別の見どころを伺います。まず“義勇軍メンバー篇”のテーマと注目ポイントをお聞かせください。

 “義勇軍メンバー篇”は全8話構成で、大きなあらすじとして「義勇軍がユグドに帰るまでの話」になっています。なので、第2部の各大陸を来た時とは逆に、鉄煙の大陸から順に戻っていくことになります。中心となるのはカイン、マリナ、ミシディア、ペイシェの4人で、そのわきを各大陸の面々が固めます。

 さらにクライマックスでは、彼らの到着を迎えるべく、第1部のNPCキャラクターたちも続々出てくるので、1部2部の人気どころが総登場するお祭り騒ぎのようなお話になっています。非常に盛り上がりますし、でもきっちり読み応えもあります。ちなみに登場するキャラクターのセレクトは、電撃Appで行われた人気投票の結果も反映させてもらいました。

 NPCだと“ジークルーン”や“ナロ”など、各大陸の重要キャラクターたちがもう一度出てきて物語を盛り上げます。もちろん、義勇軍に加わった他の2部メンバーもたくさん登場するので、誰が活躍するのか期待してもらえればと思います。

『チェンクロ』
▲ジークルーン
『チェンクロ』
▲ナロ

 それと見どころとしては“交わる”ことが大きいです。第2部は大陸ごとにきっかり分かれているじゃないですか。そうすると、別の大陸のキャラクター同士の交流がないんですよね。それは寂しかったなというのもありまして、このシリーズではみんな同じ船に乗って、違う大陸のキャラクター同士で交流をしてというイベントが随所に入るようなシナリオになっています。今までとは違った第2部の雰囲気を楽しんでもらえるのではないかなと思います。

 “ショートストーリーズ”のときも同じような理由でワイワイさせようという感じだったのですが、今回は大物キャラクターも加わりつつ、きちんとした長編ベースで描かれて、最後はユグドのキャラクターたちとも絡みつつゴールにいたるような、超大盛り上がりのストーリーになっています。ですから、かなり楽しめると思いますよ!

――“リヴェラ篇”の最後でリヴェラの武器が手に入りましたが、他のSequelsでもあのようなちょっとした報酬は用意されているのでしょうか?

 はい。今回の義勇軍メンバー篇でも、報酬が用意されています。それ以降はまだ検討中ですが、何かしらの報酬はあると思います。

――バトルにおいて新たな要素はありますか?

 基本はストーリーを楽しんでもらうものですので、バトルでめちゃくちゃやり応えがあるというものは今のところ用意はしない予定です。とはいえ、どのストーリーも、クライマックスは熱い展開が用意されているので、ゲーム内容自体もそれに合わせて熱いプレイが楽しめること請け合いです!

――“黒の軍勢”が倒された後ということで、戦う相手がどうなるのかも気になります。

 そうですね。とはいえ“黒の軍勢”も、残党というレベルではまだまだ残っているという状況なので、ふつうに出てきますね。もちろん、本当に世界の危機だった頃とは状況も変わってということも、ちゃんと描かれた後日談になっています。そしてもちろん、物語が盛り上がるにつれて、それ以外の敵というのも登場します。

――新キャラクターは登場するのでしょうか?

 “義勇軍メンバー篇”では今のところ登場はないですね。とにかく既存の人気キャラ総出演! というところに力を置いているので、新しいキャラクターを出す余地がなかったです(笑)。

――バトルの難易度はどうなりますか? 個人的に“リヴェラ篇”の戦闘でもかなりの手応えを感じていたのですが……。

 難易度は前回と同程度を想定していると聞いています。エンディングを見た方に向けてお届けするコンテンツですので、適度に手応えを感じていただけるかなと思います。

――キャラクター総出演と言われますと、お祭りのような感じがありますね。

 そうですね。お祭り感はSequelsシリーズの中で一番だと思います! 本当にたくさんのキャラが登場し、笑いあり、熱さあり、未来へとつながるエピソードありと、盛りだくさんの長編になっているので、存分に盛り上がっていただければと思います!

“リリス・テレサ篇”のシナリオは松永さんが担当!

――次に“リリス・テレサ篇”ですが、2人は成長した姿で出てくるのでしょうか?

 はい、時系列で言うと『チェンクロ3』が始まる直前あたり、第2部完結から数年後の姿が描かれます。このストーリーの役割は、『チェンクロ3』で新たなユグドを舞台にするにあたって、もともとあったユグドの世界観、つまり第1部できちんと語られなかった裏設定や伏線をいくつか回収するという内容になっています。

『チェンクロ』
▲リリス
『チェンクロ』
▲テレサ

 というのも、『チェンクロ3』ではそうしたユグドに眠っているいくつかの設定が再び掘り起こされる予定があります。聖王国という国そのものだったり、“十七聖騎士団”や、“十七聖人”、“運命の賢者”、“世界樹”といった本編中にも出ているものの、その詳細については詳しく描かれていない事柄が、第1部にはたくさんあります。その中で大きなものはチェインストーリーなどで描かれたりもしているんですが、あらためて本編でやるのであれば、どこかでまた描く必要があるなと思っていたので、Sequelsに入れさせてもらうことにしました。

 内容としては、まさにリリスのチェインストーリーの続編といった物語になっています。“十七聖人”の秘密が明かされ、“世界の繰り返し”、“今のこの世界のはじまり”などについて語られます。これについては大変すみませんが、リリスを仲間にしていないユーザーさんは話の流れがわかりづらい可能性があります。もちろん、“救世の聖女”たるゆえん含めて、もろもろ作中でもおさらいはしていますが、とにかく情報が濃いというか、本編中では触れられていない設定がたくさん出てくるので。

 ここはすみません、もともとプロット段階では、Sequelsは外伝のように各大陸に配置してプレイ必須な物語にはしない予定だったのですが、プレイヤーさんの遊びやすさを重視して、ひとつながりにしてしまったというせいでもあります。ですが逆に、“チェンクロマニアックス”と言える内容なので、本当に物語を濃く楽しんでくださっているファンの方には、かなり楽しめる内容になっていると思います。

――“リリス・テレサ篇”には、他にどのようなキャラが登場しますか?

 こちらは“義勇軍メンバー篇”とは一転して、完全にリリスとテレサ中心の物語になっています。2人のファンの方には、かなりたっぷり楽しんでもらえるのではと思います。またこちらでは、新キャラクターなども登場します。全4話のボリュームですが情報量はとても濃いですよ。

――テレサはバックボーンがかなり深いですよね。そのあたりが描かれるのでしょうか。

 そうですね。リリスとテレサのバックボーンもしっかり描かれます。テレサについては、彼女にとって忌まわしい過去、“聖王の死”などについても描かれます。さきほども濃く物語を楽しんでいる方にという話をしましたが、今回は2人を取り巻く、本編で言及されていない様々な物語が、たくさん明かされていきます。そしてここまで3年、チェンクロを楽しんでくださって、第2部の大団円を迎えてくださった方たちの中には、そういう濃く楽しんでくださっている方が、少なからずいると信じて、かなり遠慮なく描かせてもらっています。

 それと彼女たち自身の設定がすごく特殊で、ユグドという舞台に依存しているところが強いので、第2部であまり触れてあげられなかったぶん、今回はしっかりと活躍させたかったというのはありますね。物語の触りだけお話をすると、2人で旅をしているという状況から物語が始まります。

――ファンミーティングでリリスは各地を旅しているというお話しをされていたのですが、旅はテレサも一緒だったんですね!

 はい、女の子2人旅です。リリスが斬られてしまわないかという心配もありますけど(笑)。そんな旅なので、2人のシーンがたくさん描かれています。リリス・テレサのコンビを好きな方に、ぜひご期待いただければと思います!

――この物語、松永さんは携わっていらっしゃるのでしょうか? この2人といったら松永さんというイメージがあるのですが……。

 はい、このSequelsだけは、僕のほうで全部書かせてもらっています。夏休み返上で……(笑)。3年のあいだに、様々なところで散らばっている伏線をまとめるような部分が強いので、直接書くしかないなと。あと、『チェンクロ3』の準備でみんな忙しいですし……! チェインストーリーも僕が書いているので、それの続きという格好でがっつり書かせていただいて楽しかったです。

『チェンクロ』

Sequelsを締めくくるのはやっぱり主人公!

――それでは、Sequelsを締めくくる“主人公・フィーナ篇”について教えていただけますでしょうか。

 こちらは“リリス・テレサ篇”とはまたまた一転して、ちゃんと第2部エンディングの後日談になっています。『チェンクロ3』につながる、主人公とフィーナのその後の物語が描かれています。

――主人公とフィーナはユグドに戻るんですか?

 それは言えません!(笑) ですが、リヴェラ篇にはリヴェラ一行、義勇軍メンバー篇は総出演、そして主人公・フィーナ篇では『チェンクロ3』クライマックスチャプターズで登場した各大陸から集まってきた勇士たちが何人も出てきます。

『チェンクロ』
▲ツァーリ14世
『チェンクロ』
▲アストライア

――なるほど。“クライマックスチャプターズ”で登場したキャラについて、もっと知りたいというユーザーさんが多いと思います。

 そうですね、こちらのストーリーは“クライマックスチャプターズ”を書いた下村健さん(シナリオライター集団Qualia代表)が担当していて、下村さん的にも、各大陸の勇士たちをもっと描き切りたかったという想いがあって。ぞんぶんに活躍してくれます。

 とはいえ、本質的には主人公とフィーナの2人の、“その後”をしっかり描きます。しっとりとした、お祭りではないほうの後日談といった空気感ですね。あのエンディングだけでは足りなかったという方にもぜったい満足してもらえると思います。そして『チェンクロ3』につながる伏線も……! という感じです。

――“主人公・フィーナ篇”の実装はいつ頃の予定でしょうか。

 11月くらいでしょうか。結構近々に遊んでもらえると思います。“主人公・フィーナ篇”も計3話のショートストーリーとなっています。

――ちなみに、ピリカは『チェンクロ3』でどうなりますか? ピリカがマナを持って来てくれないと困るのですが……。

 ピリカ選手の来年度契約状況は、いま揉めているところです(笑)。『チェンクロ3』の冒頭では主人公とフィーナがいません。ですのでピリカも物語的にはいったん登場しないのですが……でも、彼は『チェンクロ』のシンボル的なところがあるので、どうすべきかというところですね。少なくとも、ゲーム的にマナが持ってきてもらえないようになるということはないです(笑)。

――あと、個人的にガラクスィアスのアルカナ化が気になっているのですが、彼女はやはり錬金担当のままなのでしょうか……?

 いまのところ運営チームからは、錬金一本ということで聞いています(笑)。

――“リヴェラ篇”のリヴェラ一行は、まだまだ物語が広がりそうですね。

 彼女たちの活躍を描く機会が、まだ欲しいですね。実は今まで、主人公たちが不在の話というのを禁じ手にしていたんです。でも、そこにこだわっていると描けないストーリーもあります。もうゲームとしても長いから、そろそろいいだろう! という気持ちで踏み切りました。結果、たくさんよい反響をいただけて。やってよかったと思います。

 Sequelsは主人公篇以外は、主人公不在のストーリーになっているのですが、それゆえのおもしろさが出ていると思います。今までできなかったものが描けるようになりました。

 そして『チェンクロ3』では主人公とフィーナが不在になるので、今までの一人称視点とは異なる視点でストーリーのおもしろさが描かれると思います。そういう意味では『チェンクロ3』に向けて、ゲームの構造自体が変わっていくことになると思います。

『チェンクロ3』では一人称視点ではなく三人称視点に!

――『チェンクロ3』では主人公が5人出てきますが、誰の視点になるのかなと思っていました。

 ストーリーをいくつも並行して楽しんでもらうときに、一人称視点ですと限界があります。これだけ多くのキャラクターがいますから、同時に何本もの話が走るというのは挑戦すべきことだと思います。今からではいろいろと無理もあると思いますが、それでもチャレンジしてみたいなと。ですので……『チェンクロ3』は三人称視点になります!

――このとき、一方あちらではこんなことが起きていた……という風に描かれるわけですね。

 はい。ゲームシステム的にもルールが変わるので、混乱しながらもなんとか着地させようと頑張っています。たとえば選択肢を出すとき、今までは主人公の台詞だったのですが、劇場型で三人称視点なのに台詞を突然選べというのも「いや、こちらは見ている側なんだけど」といった違和感が生まれてしまいます。

 ですが、選択肢がないのは味気ないと思うんです。選択肢で見えるものが変わるおもしろさは絶対にあるので、どういう格好の選択肢がベストか調整したりしています。そういう意味でも『チェンクロ3』は新鮮に見えると思います。Sequelsの物語の中で「主人公がいない状況も新鮮だな」と思っていただけるのが、ちょうどいいクッションになればと思っています。

――『チェンクロ3』は第2部の完結から5年後になりますが、5年後って思い切った数字ですよね。

 そうですね。ただ第2部のエンディングであそこまでやって、「さあ次の敵がすぐ現れたぞ!」……っていうのは、ちょっとないなと思うんですよね。物語を大切にするのが『チェンクロ』です。「主人公、フィーナ。世界を救ってくれたけど、それは無かったことにしたから。はい、次の敵だよ。頑張ろう!」ではなく、彼らの冒険譚がひとつの結末を得た以上は、次の物語がはじまるための納得のいく舞台というものが必要だと思うんです。

 そのうえで、ユーザーさんが一番ワクワクする状況はどんなものかなと考えて、『チェンクロ3』の舞台を用意しました。ですがかなりのチャレンジだと思います。そういう意味で、この前発表させてもらったときに“新主人公”というものに対して違和感や不安も出るだろうなとは思っていました。これまで親しんできた物語から、急に新しい舞台へ移るというのは、そういうことだと思うんです。なので覚悟したうえで、ファンミーティングで発表しました。

 ユーザーさんに一番興奮してもらえるのは、5年後の世界で今まで一緒に戦ってきた義勇軍のキャラがどう成長して、どんな存在になっているかというところではないでしょうか。彼らは、世界を救った英雄たちですからね。英雄である以上、普通に暮らしているのもおかしいと思うんですよ。ファンの皆さんに『納得のいく新しい舞台』で楽しんでもらうために、そこの設定にとことんこだわっています。

 黒の軍勢という存在を乗り越えてすぐ、さらなる世界の滅びが……ではなく、世界は救われたけどその勇者たちのことは忘れられていて、ゼロから物語が再び……でもなく、ちゃんと世界を救った英雄たちがいて、世界からも認められていて、若者からも憧れられている存在で、新しい主人公たちの、新しい物語が始まったら、彼らなりにちゃんと助けようとしてくれる。かつてと同じ熱さで、でもきちんと成長し大人になったスタンスで。そんな物語を、『チェンクロ3』では描ければと思っています。

 なので、先日の発表会でカインたちが出たときの会場の反応には確かな手応えを感じました。ファンの皆さんが望むところと、一番魅力的に見えてほしいと願っていたところを、きちんと合わせることができたなと。ちゃんと反応をもらえて本当に安心できました。

――会場で成長したカインのイラストが出たとき、ものすごく盛り上がりましたよね。泣いていた方もいらっしゃいましたよ。

 本当ですか! って、それ……ひょっとするとうちのスタッフかも(笑)。会場に来ていたスタッフが「すごい喜んでもらえた!」と、うれし泣きしてしまったと言っていたので。

 僕もあの歓声を聞いたとき、感極まってしばらくしゃべれなくなっちゃいました。その間、ゲストの方につないでいただいたりして……。あの期待を裏切らない活躍をさせなきゃなと思っています。

 もちろん新主人公たちもかつての英雄たちに負けないくらい、すごく魅力的なキャラに仕上がっているので、新旧キャラクターが一緒になって盛り上げていく物語を、期待してもらえればと思います!

『チェンクロ』

『チェンクロ3』から始める人もウェルカムな仕様に!

――東京ゲームショウ2016のステージで、第1部、第2部と『チェンクロ3』の両方が同時に遊べることが発表されましたね。初心者が『チェンクロ3』からゲームを始めることも可能だと。

 既存のユーザーさんたちには改めて刷新感を味わっていただきつつ、新規の方も入れる形を同時に実現したいなと思いまして、今回は『チェンクロ3』からでも始められる仕様にしました。新規の方に対して、「第2部までを全部終わらせてから来てね!」っていうのも、この長さだと言えなくなってきたなと。

 ですから、『チェンクロ3』からでも遊べるようにします! 具体的には、ニューゲームをタップしてチュートリアルが終わると、『チェンクロ3』にスキップするというボタンが出てきます。始めてからも、ボタンひとつで第1部、第2部に戻れるので、どちらを進めてもいいというアプリに生まれ変わります。

 実現したいのは、新規のプレイヤーさんと、これまでのファンの皆さんが、一緒になって『チェンクロ3』で盛り上がれるという状況です。第1部と第2部の長い物語を、すでに体験していれば一番楽しいし、そうでなくても、欠けた過去の物語を想像したり、すでにプレイしているユーザーさんと話したりして、補完しながら一緒にワイワイ楽しめる。という形が、長く物語を運営していくうえでは、理想の形だなと思うんです。

 また『チェンクロ3』からは、メインクエストの難易度も分かれています。すでに高レベルの方は手応えあるバトルを、新規の方は気軽に遊んでいただけます。そうやって、どちらも楽しいが、実現できればなと。

――『チェンクロ3』は別アプリになるのかも……と思っていたのですが、アップデートをする形式になるんですね。

 そうですね。別アプリにすると、どうしても第1部・第2部のデータで共有できない部分が出てくるので。今まで楽しんでくれたプレイヤーさんが、今いる義勇軍の仲間をそのまま使えるのが、大前提だと思うので、なんとか同じアプリの中に収まるように頑張っています。

 これまでのファンの方、新規の方、どちらにもという想いがありますが、とはいえ一番大切なのは、これまでのファンの方が一番楽しいということです。 なので、これまでのキャラを持っていると使える“伝授システム”も含めて、通して遊んでいる人にはさまざまな恩恵があります。さらに、“親愛度”のシステムが実装されるので、レベルMAXのアルカナで遊んでも、まだパラメータが上がるという喜び、リニューアルされたアルカナが登場したときに引き継がれる楽しさがあります。きっと満足してもらえるものになるな、という手応えを感じています。

――スマホアプリゲームで3年続いた作品ならではの施策ですよね。

 ストーリーもののアプリで3年というのは、今までなかったですからね。コミュニケーションツールとしてのゲームであれば、あまり形式を変えるべきではないと思いますが、『チェンクロ』はストーリーや攻略を楽しむゲームです。そのようなゲームが3年間、なにも形を変えないままファンの皆さんに楽しみ続けてもらうというのは、無理があると思うんです。だからこそ、ずっと楽しんでもらうために、思い切って変えます! でも、ユーザーさんが蓄えてきたプレイデータやプレイスキルはちゃんと生かせるようにしたいと思っています。

――『チェンクロ』が長く続いている理由の1つに、キャラがインフレしないという点があると思います。ずっと昔に入手したアルカナを、今パーティに入れても戦えるという。

 昔のアルカナを無駄にしないのは、とても大事なポイントだと思っています。それって、この3年ですごく苦しんでいた部分でもあるんですね。インフレを抑えようとはしましたが、やはり限界はあります。そこでインフレではなく、別の価値を持てるようにするにはどうしたらいいかを考えたものが、“伝授システム”や“親愛度”であったりするんです。

 ぶっちゃけますと、『チェンクロ3』の新主人公をはじめとした次世代キャラクターたちは、見た感じちょっと弱めです。デフレして見えるかもしれません。ですが、伝授できるという別の価値を持っています。手間をかけて先輩たちと一緒に戦わせて、自分なりの伝授の組み合わせを作っていくと、徐々にこれまでのキャラたちよりも使えるようになっていく……という設計を目指しています。単純な強さを抑えるかたちで、すべてのアルカナを生かせるようにできればと思います。

 あと“親愛度”では、わずかではあるのですがHPやATKにもボーナスが入ります。レベルMAXのキャラも、また少しずつ強くなるというわけです。このボーナスは、新規キャラも既存キャラも等しく適用されるので、キャラに対する愛着を、『チェンクロ3』でいっそう強めていただければと思います。

――ファンミーティングでおっしゃっていましたが、親愛度には上限がないんですね!

 はい。レベルは永遠に上がり続けます。パラメータボーナスは一定レベルまでですが、フレンドリストにもフェイバリットキャラが表示されるようになるので、そこで愛を示せます。コミュニケーションの要素が薄いゲームではありますが、そういったところでちょっとしたキャラ自慢のようなことができればと思います。

『チェンクロ』

――いろいろと『チェンクロ3』のお話を伺いましたが、そろそろ実装も近いのではないでしょうか!?

 2016年リリースと言い切っていますから、今まさに開発佳境という状況です! オープニングシーンが完成したり、新システムの仕上げに入ったりと、いよいよな段階に来ています。2016年も残り少なくなってきましたが、Sequelsを含めて、ここから怒涛のごとくファンの皆さんに、チェインクロニクルの新しい物語と新しいゲームを届けていきたいと思っていますので、いっしょに盛り上がっていければうれしいです。よろしくお願いします!

(C)SEGA

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