米Gartnerがこのほどまとめた市場調査リポートによると、パソコン、タブレット端末、携帯電話を合わせた2016年の世界出荷台数は23億2900万台となり、前年から3%減少する見通し。これら機器の世界出荷台数は2015年に前年比0.75%減少しており、これで2年連続の前年割れになると同社は予測している。

 Gartnerが予測する、2016年のデバイスの種類別出荷台数は、従来型パソコン(デスクトップ/ノートパソコン)が2億1600万台、高価格帯ウルトラモバイル(Windows 10とIntel x86プロセッサ搭載製品や、米AppleのMacBook Airなど)が4900万台。これらを合わせた「パソコン」の出荷台数は前年から8%減少する見通し。ただし、このうち高価格帯ウルトラモバイルは伸びており、その2016年の出荷台数は前年比で11.4%増加すると同社は見ている。

 また携帯電話の世界出荷台数は、前年比1.6%減の18億8700万台。ベーシック型ウルトラモバイル(AppleのiPadやiPad mini、韓国Samsung ElectronicsのGalaxy Tab S2、米Amazon.comのFire HDなど)は1億7700万台で、同9.7%減少する見通し。

 このうち携帯電話の分野では、スマートフォンの出荷台数が15億台に達し、前年に続き増加するという。しかしその伸び率は2015年の水準から低下し、4.5%増にとどまるとGartnerは予測する。これはスマートフォン市場が世界的に飽和状態に近づきつつあるからだという。

 Gartnerによると、2016年は引き続き中国メーカーによる高品質かつ低価格のスマートフォンがAndroid端末の市場をけん引する。しかしiPhoneの前年比伸び率は2015年の水準には達しないと同社は見ている。一方で2017年は新デザインのiPhoneが登場すると見られている。またスマートフォンの買い替え需要も高まることから、高価格スマートフォンの出荷台数伸び率は、2016年の前年比1.1%減から、2017年には同3.5%増へと回復すると同社は予測している。

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