News

2016年9月30日(金)

これがマフィアの世界か……! 骨太で危険な空気が漂う『マフィア III』をレビュー

文:hororo

 10月27日に発売予定のPS4/xbox One/PC用ソフト『Mafia III(マフィア III)』。非常に人気の高いクライムアクションシリーズの最新作です。

『Mafia III』

 そんな本作を発売に先駆けてプレイする機会をいただいたので、本作の魅力や、プレイした感想について触れていきたいと思います。あ、シリーズと言っても、前作を遊んでいないと楽しめない……なんてことはまったくありません。

 『マフィア III』は、その名の通り組織的な犯罪を行う集団“マフィア”を題材にしたクライムアクション。主人公は固定で、リンカーン・クレイという人物になります。舞台はニューオリンズをイメージして作成された架空の町・ニューボルドー。自由に歩きまわれるオープンワールドタイプの作品となっています。

 最近のオープンワールド系の例にもれず、移動できる範囲は広大で、端から端まで移動しようとすると、車を使わないと疲れてしまうほど。

『Mafia III』
▲1960年代のアメリカが舞台。実際に見たことはないので正確にはわかりませんが、かなり“らしく”作られています。
『Mafia III』
▲乗車中は、カーチェイスや銃撃戦ももちろん可能です。タイヤを撃ってパンクさせて止めるといった小技も!

 さて、本作の主人公であるリンカーンは、マフィアに育てられ、ベトナム戦争に従軍したという経歴を持つなかなかの武闘派。情に厚く、彼を育ててくれた黒人組織にはかなりの恩義を感じています。

 しかし、彼の“ファミリー”である黒人組織がイタリアンマフィアに裏切られ、壊滅してしまうのです……! 彼の胸の内に灯ったのは、暗く激しい復讐の炎。いまやニューボルドーを牛耳るイタリアンマフィアを相手取り、彼の戦いが幕を開ける――というのが概要ですね。

 このあらすじからもわかるように、本作で描かれるのは、かなり重苦しいテーマ。日本でも馴染みのあるクライムアクション作品は、どこかコミカルだったり、テンションが高かったりするものが多いですが、60年代アメリカをモチーフにした本作は、その真逆といってもいいでしょう。

『マフィア III』リンカーン クレイ - 闘う者

 この日体験できたのは、ゲームの導入部分と、そこからある程度進み、自由に町をうろつけるようになったデータでした。リンカーンがどのようにファミリーを失い、復讐を決意するに至るか、その過程が描かれます。

 アクション自体はベーシックなもので、他のオープンワールドアクションに触れたことのある人なら迷うことはないでしょう。仮に初めてでも、導入部がていねいなチュートリアルになってますし、難易度も選べるので安心です。

 ということで、今回のレビューでは、導入部ではなく、少し進んだデータをもとにして、所感をまとめていきたいと思います。

『Mafia III』

 まずゲームについてですが、こちらはミッション形式になります。依頼人のもとに行き、話を聞くとミッションがスタートします。表示された目的地へ向かい、標的の殺害や物資の破壊といった、敵の勢力を弱体化させる任務を行います。

 もちろん、ミッションを受けないで町をブラブラするのもオープンワールドの楽しみ方のひとつですが、今回はミッションでどんなことができるのか、どういったアクションが取れるのかといった部分に重点を置いていこうと思います。

 まずひとつめのミッションの目的は、人種差別のプロパガンダを利用して金を稼いでいる南部連盟のビジネスの妨害。目標地点に移動し、標的を倒すタイプです。簡単な流れを写真とともに追ってみましょう。

 まず、メニューからミッションを選び、対象のミッションをアクティブにすることで、ミニマップに最短ルートを示すナビが表示されます。このあたりはオープンワールドゲームではおなじみですね。

 移動中、右下のミニマップに警察の影が……。ミニマップの青い点は警察官を表し、彼らの見ている前で悪事を働くと、場合によっては追われることになります。このときは相手にしたくなかったので、“彼らの目の前でだけ”安全運転を心がけました。

『Mafia III』
『Mafia III』

 目的地は敵の縄張りなので、堂々と近づくと怪しまれて攻撃を受けます。なので、まずは物陰に隠れようすをうかがいました。タッチパッドを押すと、周囲の敵対人物が赤くハイライトされるので、敵の配置を確認できます。

 運よく見張りの1人が近づいてきたので、ステルステイクダウンを実行。ステルステイクダウンは相手に気付かれていない状態から繰り出すことができ、一撃で敵をしとめられるアクションのことです。

 物陰からステルステイクダウンをした場合、倒したあとに敵を物陰まで引っ張り込みます。当然、敵は死体を見つけたら不審がるので、死体を隠しておくのはステルスプレイにおいて重要です。今回は使いませんでしたが、倒した敵は担いで持ち運ぶことができます。

『Mafia III』
『Mafia III』

 敵が不審に思うと、画面中央に白いラインが出ます。この色が赤に変化すると攻撃をしかけてくるため、その前に攻撃するなり隠れるなりしたいところ。口笛を吹いて敵をおびきだすこともできます。

『Mafia III』

 別の敵をおびき出してステルステイクダウンしましたが、目標に目撃されてしまいます。しかし、殺害の光景を見ると、敵が驚いて反応が鈍ることがあります。そのスキにすかさず近寄って格闘攻撃。相手がひるんだ際に○ボタンを押すことで、周囲の敵を怯えさせることができました。

『Mafia III』
『Mafia III』

 最後は目標の尋問です。尋問した敵は、そのまま始末するか、自分の配下にして収入源にするかを選べます。始末すれば即座に金を手に入れられますが、配下にしたほうが総収入は高そうです。

『Mafia III』

 次のミッションは、麻薬輸送用のボートの破壊です。敵の見張りが多いミッションでは、戦闘に発展しがちです。見張りをひとりステルステイクダウンしましたが、通行人に目撃され、通報されてしまいます。通報されると警察が来ててんやわんやになりますが、目撃者が公衆電話にたどり着く前に無力化すれば通報を阻止できます。

『Mafia III』
『Mafia III』

 途中、敵に発見されてしまったので、銃撃戦が始まりました。本作は主人公の体力が低めなので、銃弾を数発受けただけで死んでしまいます(現実ではそれが普通ですけどね)。なので、攻撃を受けたらすぐに物陰に隠れて回復することが重要。

 体力は時間経過かアドレナリン注射で回復できるのですが、自然回復はかなり時間がかかる印象でした。銃撃戦をするならアドレナリン注射は複数持っておいたほうが安心かもしれませんね。

『Mafia III』

 敵が多いので、無線で仲間を呼ぶことに。お金がかかりますが、ファミリーの構成員がすぐさま現れ、加勢してくれます。無線はほかにもさまざまな使い道があり、デリバリー武器屋を呼んだり、警察に賄賂を送って手配度を一定時間無効化できたりしました。

『Mafia III』
『Mafia III』

 敵の縄張りには見張り役がいて、こちらの存在に気付くと電話で増援を呼ぼうとします。増援は車3台分くらい来るので、けっこうヘビーでした。もちろん、電話をかけるまえに倒すことができれば増援を阻止できます。

 ちなみに、『マフィア III』では各エリアに損害額というパラメータが存在します。これは敵対勢力にどれだけの損害を出したかの目安で、さまざまなミッションをこなして一定以上の損害を与えれば、ストーリーが進む仕組みのようでした。

 本作を数時間プレイしてみた感想としては、ゲームをよく遊んでいる人にとってはすぐになじめるシステムでありつつ、操作性やビジュアル、世界観などのクオリティが非常に高い水準でまとめられている作品だと感じました。マップの広さは十分ですし、行き交う車や人の多さは、それこそ生活感すら感じます。

 主人公の外見のカスタマイズはハンズオン時点ではできませんでしたが、今後どのようになるのかはまだ不明。こちらは続報に期待したいところです。また、ほかのオープンワールド系ゲームと比べると、重苦しさが目立ちますが、これはリンカーンという人物がマフィアの世界でどう生きていくかを物語るストーリーだからなのでしょう。

 実際、序盤からグイグイ惹き込む物語の展開方法はプレイしていてのめりこみましたし、先が気になって、続きを早くプレイしたいと思わせるほど。

『マフィア III』E3 受賞トレーラー

 戦闘においては、ステルスプレイも真っ向勝負もでき、攻略法が幅広いゲームですが、個人的にはマフィア気分になって仲間とともにバンバン銃を撃ちまくるプレイが楽しかったです。撃たれた場所によって敵ののけぞり方が違ったり、本当に痛そうに崩れ落ちたりするので、モーションの細かさにも注目です。

『Mafia III』
▲ステルステイクダウンを狙う際は、敵を殺すか気絶させるかはオプションで選択できます。
『Mafia III』
▲登場する武器は基本的なものはだいたい押さえてある印象。ちなみに、ショットガンがけっこう遠くまで飛びます。ゲームでよくある“接近戦用の銃”というよりも、実際のショットガンに近いのかもしれません。

 今回のプレイでは、無線で要請できる項目や武器など、さまざまな要素がアンロックされた状態でのプレイでした。これを自分で初めからプレイすると、徐々に仲間を集めていく過程や、利便性が増していくことをより実感できて楽しそうですね。

『Mafia III』

 マフィアという我々とは縁遠い世界を描いた作品ですが、映画『アメリカン・ギャングスター』などが好きな方はもちろん、良質なオープンワールドゲームを求めている方にも、安心してオススメできる作品です。

 ここからはまったくの余談になりますが、9月15日に同じく2Kより発売されたばかりの『バイオショック コレクション』も、やはり60年代アメリカ文化の薫陶を色濃く受けた作品になっています(※この中に含まれている『バイオショック インフィニット』はもう半世紀ほど古めですが)。

 奇しくもこれらが同時期に出るのって、とてもおもしろいことだと思うんですよね。どちらの作品も、まったく別角度から同じ国の文化や風俗を抽出・デフォルメしていますので、一緒に遊んでみると別の“気付き”もありそうです。

『バイオショック コレクション』アナウンスメントトレーラー(日本語版)

 電撃オンラインでは、『バイオショック コレクション』のレビューも掲載していますので、よかったら読んでみてくださいね。

(C) 2015 TAKE-TWO INTERACTIVE SOFTWARE AND ITS SUBSIDIARIES. DEVELOPED BY HANGAR 13. 2K, HANGAR 13, 2K CZECH, THE 2K LOGO, THE 2K CZECH LOGO, THE HANGAR 13 LOGO AND TAKE-TWO INTERACTIVE SOFTWARE ARE ALL TRADEMARKS AND/OR REGISTERED TRADEMARKS OF TAKE-TWO INTERACTIVE SOFTWARE,THE RATINGS ICON IS A TRADEMARK OF THE ENTERTAINMENT SOFTWARE ASSOCIATION.ALL RIGHTS RESERVED.

データ

関連サイト