横浜銀行と北海道銀行、七十七銀行、北陸銀行の4行は2016年9月28日、16日午後に発生していたATM取引などの不具合について、原因と再発防止策を発表した。NTTデータが開発・運用し、4行が共同利用している地銀向け勘定系システム「MEJAR(メジャー)」のプログラムミスによる負荷増大が原因だった(関連記事)。同じMEJARを利用する4行すべてに影響が波及した。

 横浜銀行の説明によれば、16日14時ごろから、「横浜銀行のATMで横浜銀行のカードを利用した他行あての振り込み」「他行のATMで横浜銀行のカードを利用した取引全般」「横浜銀行のカードを利用したデビットカード取引」など特定の種類の取引ができない状態になった。このシステム障害は同日20時ごろまで続いた。他の3行でも、それぞれ一部の種類の取引ができなくなった。

 横浜銀行などが調べた結果、MEJARのプログラムのうち、キャッシュカードをATMで受け入れる際の事前チェックに不具合があったことが判明した。磁気ストライプ情報が消失しているキャッシュカードをATMで利用した際、本来は取引を不成立とする。ところが、「他行カードでの振り込み」の処理においてプログラムミスがあり、取引を不成立にできないままMEJARシステム内部で繰り返しエラーが出る事態に陥った。この結果システム全体の負荷が高まり、振り込みとは関係ない取引までできなくなった。

 障害発生を踏まえ、カードの磁気情報が消失している場合は、事前チェック段階で取引を不成立にするようプログラムを修正した。横浜銀行は「ご迷惑をお掛けしたことを、深くお詫び申し上げる」としている。システム障害のために他行ATMなどを利用せざるを得なかった場合の手数料については、窓口に申し出れば同行が負担すると告知している。

 NTTデータ広報部は「MEJARを利用する4行と、銀行で取引するお客様に多大な迷惑を掛けてしまい申し訳ない。今後このようなことがないように再発防止策を講じる」とコメントした。