ビジネス向けチャット「チャットワーク」を運営するChatWorkは2016年9月27日、ビジネスマッチングサービス「ChatWorkコンシェルジュ」を開始したと発表した。ChatWorkの担当者が、チャットワークのユーザー企業と事業者を仲介(図1)。他社に業務を委託したい企業が、チャットワーク上で事業者を探し、発注できるようにする。

図1●ChatWorkコンシェルジュのサービス概要
図1●ChatWorkコンシェルジュのサービス概要
(出所:ChatWork)
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 ユーザー企業が専用フォームから問い合わせ内容を送信すると、ChatWorkの担当者(「コンシェルジュ」と呼ぶ)からチャットワーク上にチャットの申請が送られてくる。これを承認し、チャットワーク上でコンシェルジュと会話をしながら依頼内容などを詳しく伝える。コンシェルジュは登録事業者の中から、顧客の要望に合う事業者を選定。ユーザー企業と事業者もチャットワーク上でやり取りし、詳細を打ち合わせる。

 現段階で、Web制作や宴会予約の代行、翻訳、士業などの専門家といった事業者がマッチング先として登録されている。今後も、ユーザー企業のニーズに応じて拡充するという。ChatWorkは、マッチングの成立などに応じた手数料収入を得る。

 サービスを担当する、ChatWork 事業推進部 事業開発チームの駒井亮氏は「チャットワークはチャットだけでなく、ビジネスのプラットフォームになることを目指している。ChatWorkコンシェルジュは、その第一弾」と話す。日々の業務の中で困ったことをチャットワークを通じて相談し、解決できる環境を作るのが狙いだ。今後はマッチングできる事業者の種類を増やし、どんな依頼も気軽に相談できるようにしたいという。

 2016年9月29日には、大企業や官公庁向けの「エンタープライズプラン」も提供開始予定(図2)。チャットワークの利用企業数は現時点で11万社を超え、大企業からの引き合いも増えてきたため、セキュリティ管理機能を強化したエンタープライズ版を新たに用意した。チャットワークにアクセスする端末やIPアドレスの制限、ファイル送信や社外とのやり取り禁止などの設定ができる。

図2●大企業向けに「エンタープライズプラン」を追加
図2●大企業向けに「エンタープライズプラン」を追加
(出所:ChatWork)
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 これまでも、大企業向けにはKDDIと共同開発した「KDDI ChatWork」を運営してきた。KDDI ChatWorkは提供元がKDDIだが、ChatWorkが独自提供するサービスも用意することで、よりユーザーを増やす。ターゲットは「一つのプロジェクトに様々な人が参加し、かつ高いセキュリティが求められる業界」(エンタープライズプランを担当する、マーケティング部の杉山大介マネージャー、写真)。製造業や建築業、ホテル、外食産業などに的を絞ってエンタープライズプランを売り込む。

写真●ChatWorkコンシェルジュを担当する事業推進部 事業開発チームの駒井亮氏(左)と、エンタープライズプラン担当のマーケティング部 杉山大介マネージャー
写真●ChatWorkコンシェルジュを担当する事業推進部 事業開発チームの駒井亮氏(左)と、エンタープライズプラン担当のマーケティング部 杉山大介マネージャー
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