今日17日に25歳の誕生日を迎える石川遼(CASIO)が単独首位を守った。69で回って通算12アンダーの132。前半31で独走状態を築きかけ、10番でつまずきながらも粘り、大会連覇へまた1歩近づいた。15歳で衝撃的な初優勝を果たしてから、さまざまな経験を重ね、「次の10年で夢を成し遂げたい」と抱負を語った。1打差2位はブレンダン・ジョーンズ(41=オーストラリア)。

 石川に試練が訪れたのは10番だった。左の林の中から「うまく打った」つもりの第2打がフライヤーし、フックもかからずグリーン右奥へ。第3打も寄らずに今大会28ホール目で初ボギーとした。9番で通算14アンダーまで伸ばした直後。「10、11、12番は別人の感じ」。11番で連続ボギー、12番は1メートルのバーディーパットを外した。

 だが、その後は耐えて、単独首位を守った。「苦しい9ホールだったけど、粘れた」。そこにこの10年の成長がある。「以前なら連続ボギーの後『取り返そう』といき過ぎたり、逆に落ち込んだり…。(今は)メンタル1つで目の前の一打はどうにでもなる、と学んだ」。日本ツアーでの14勝も、米ツアーでの苦しい日々も「世界のどの選手よりもいい経験をできていると思う」という自負につながっている。

 07年5月マンシングウェアKSB杯を最年少記録の15歳で制したこともあり「10年は一区切り」と位置づける。25歳の誕生日を前に次の10年で「マックスまで、自分の思いや夢を成し遂げたい」。夢とはメジャー制覇であり「世界のトップを争うこと」。そのためにも25歳初優勝で、10月の米ツアー復帰に弾みをつけたい。【岡田美奈】