仙台製油所、今夏にも出荷再開 JXエネ、生産は来夏
JX日鉱日石エネルギーの木村康社長は31日記者会見し、東日本大震災で被災した仙台製油所(仙台市)について、今年夏をめどにガソリンなどの出荷機能を再開させる考えを明らかにした。原油処理装置は津波被害を受けており、生産再開は来夏になる見込み。またタンクローリーの増強などで、4月中には東北6県の系列給油所に必要量を供給できる見通しを示した。
同社は震災直後に仙台、鹿島(茨城県神栖市)、根岸(横浜市)の3製油所が生産を中止。現在は根岸が生産・出荷とも再開したが、仙台、鹿島の生産再開のめどがたたず、原油処理能力が2割強少ない状況にある。
仙台製油所は業界で唯一東北にある製油所。木村社長は「夏場までに油槽所機能を復活させる」と明言。また鹿島製油所は今夏に生産を再開させる見通し。
鹿島製油所の生産は今夏の再開を目指す。電力需要が増える夏場に向け、火力発電用重油の生産能力を高める。
一方、損壊した設備の除却損や復旧費など業績への影響について、「かなり大きくなる。現在は精査している」と述べるにとどめた。
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