オレ竜打線、大丈夫?

 中日が29日、阪神との練習試合で2安打完封負けを喫した。阪神のドラ1左腕・榎田の前に5回まで1安打無得点と沈黙すると、その後も久保田、小林宏、福原、渡辺というリリーフ陣に抑えられ、三塁すら踏むことができなかった。

 「おかしいということはないんですけど…。1度、抜けてしまっているというのかなあ」。

 7回小林宏から右前打を放ち、2安打のうち1本を記録した森野将彦内野手(32)が“現状”の難しさを説明した。ナインは3月25日に合わせて調整してきた。だが、1度は29日に延期となり、最終的には4月12日開幕が決まった。2度の変更を経て、2週間以上の猶予ができた。心身ともにもう1度、臨戦態勢に戻すのは至難の業。相手も同じ条件とはいえ、この日のオレ竜打線はやはりおかしかった。

 象徴的なのが、最も状態がよかったジョエル・グスマン外野手(26)だ。ここ6試合で20打数1安打、打率0割5分。落合監督がフリー打撃を終えたグスマンをベンチ裏のミラー室に呼び、直接指導する場面もあった。それでも結局、中飛、中飛、遊ゴロと3タコに終わった。

 「開幕までに日本野球に慣れていかないといけない。結果よりも、なるべく多くの投手と対戦したい」。

 グスマンはあくまで準備段階ととらえているが、長すぎる準備期間の中でいかに好不調の波をコントロールするか。連覇を目指す上で1つのテーマになりそうだ。【鈴木忠平】