東芝、原発45基受注目標「達成可能」=綱川新社長

東芝、原発45基受注目標「達成可能」=綱川新社長
 6月23日、東芝の綱川智社長(22日就任)は報道各社の取材に応じ、2030年までに45基とする原発の受注目標について「達成は可能だ」と述べた。写真は都内で5月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)
[東京 23日 ロイター] - 東芝<6502.T>の綱川智社長(22日就任)は23日、報道各社の取材に応じ、2030年までに45基とする原発の受注目標について「達成は可能だ」と述べた。米子会社ウエスチングハウス(WH)が米国と中国で計8基を受注、着工済みだが、残る37基も受注獲得は可能との認識を示したものだ。
その根拠として綱川社長は「東芝グループは世界でシェアが26%ある。最近は中国やロシアのメーカーが出てきている。堅くみて世界で300基の(新規建設の)市場があれば、15%のシェアなら45基。そうした考えで今回の中期計画ではそのようにした」と述べた。
今月の米印首脳会談で、インドでWHが6基建設することで基本合意。「最終契約になったわけではないが、インドでの6基は一歩進んだと思う」と強調した。
<自己資本比率2桁回復は事業収益で>
綱川氏は、3月末で6.1%に低下した自己資本比率は事業収益を中心に10%台に回復させる考えを示した。現時点で公募増資による資本増強は「考えていない」と述べた。
同比率が2桁に回復した場合に公募増資に踏み切るかどうかについては「それも含めていろいろな可能性はあるが、決まったものはない」と話した。
原発とともに主力事業に位置付けるNAND型フラッシュメモリーは、16年度から8600億円を投資する計画。財務体質が弱体化した中で、必要資金をどのように賄うのかについて綱川氏は「リースとか借り入れは必要だが、8600億円のめどは付けている」と説明した。
フラッシュメモリー業界では高容量化のための「3D(三次元)化」への競争が始まっており、韓国サムスン電子<005930.KS>などの競合メーカーが東芝をリードしているとの指摘が専門家から聞かれる。この点について綱川氏は「今後3年間で8600億円を投資していくので、今後、サムスンに追いつくべく頑張る」と話した。
<パソコンは自力再生路線へ>
富士通<6702.T>などとの事業統合を目指したものの、破談となったパソコン事業については、コスト低減などを進め、収支均衡レベルだと説明。「再編などなしで自力再生の道で行きたい」と述べた。

浜田健太郎

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