左内転筋を痛め2軍調整中の中日チェン・ウェイン投手(25)が、開幕日となる4月12日に実戦復帰する可能性が出てきた。“開幕日”といっても、ウエスタン・リーグの阪神戦(鳴尾浜)だが、復帰ロードに明るい光が差し込んできた。

 26日はナゴヤ球場の屋内練習場でブルペン入り。故障後最多96球の投げ込みを行った。

 「真っすぐは十分だと思う。100%ではないけど、もう90%近い。思っていた以上にいい感じです」

 無理すれば長引く内転筋という厄介な故障で、ずっと慎重な発言を続けてきた。しかし、軽快なコメント同様に直球の球威と伸びも故障後4度目のブルペンで急上昇。調整ペースが一気に上がった。このペースで今後打撃投手などをこなす復帰プランから計算すると、4月中旬の実戦復帰が可能。ちょうど開幕日に合わせた「トラ狩り」が実戦復帰のメドとなりそうだ。

 ケガの功名か、新たな武器も手に入れつつある。この日はカーブに発見があったという。ゆったりとフォームの細部を確認しながら、従来のカーブを投じたところ「120~130キロくらいのカーブがうまく投げられた。新しいボールがもう一つ投げられるようになった感じ」。従来の100~110キロのカーブよりも高速の“新球”への手応えも得た。

 25日には投内連係をこなし、この日は96球の熱投と、連日復帰への階段を上がっている。復帰へ順調な右腕吉見に続き、左の柱が帰ってくる日もそう遠くはなさそうだ。【八反誠】