肥満女子中学生は学業成績が低い…北教大が分析

 北海道教育大学は5月31日、体力と肥満傾向が中学生の学業成績に関連することを明らかにした研究成果の概要を掲載した。男子中学生においては体力が低いと学業成績も低く、2時間以上ゲームなどをしている男子生徒は、体力レベルに関係なく学業成績が低かった。

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 北海道教育大学は5月31日、体力と肥満傾向が中学生の学業成績に関連することを明らかにした研究成果の概要を掲載した。男子中学生においては体力が低いと学業成績も低く、女子生徒は肥満傾向にあると学業成績が低くなっていることがわかった。

 運動や体力向上によって認知機能(脳機能)が高まることは、高齢者だけでなく子どもにおいても報告されているが、日本における研究ではこれまで、学業成績と体力レベルや体格などとの関連性については未解明だった。そこで、北海道教育大学は北海道内の中学生315名のデータを分析し、日本の教育システムにおいて学業成績と体力や体格に関連性がみられるかどうかを研究した。

 研究の結果、男子生徒は「体力レベルが高くなると学業成績も向上する」という関係性が認められた。しかし、この関係性の背景には肥満傾向や家庭環境、塾利用の有無、ゲームなどの使用を行う2時間以上のスクリーンタイムの有無などの影響も考えられるため、それらの影響も除いた分析を再度行った。

 すると、その結果でも男子生徒では「体力レベルと学業成績には一方が高くなると一方も高くなる」という関係性が認められた。女子生徒では、「肥満傾向生徒では体力が低く、学業成績も低い」という傾向があった。女子生徒は男子生徒とは異なり、体力レベルの高低ではなく、肥満傾向があると学業成績が低くなっていることがわかったという。

 北海道教育大学は、今回の分析結果は体力向上や肥満改善が学力向上につながるということを示すものではないとしつつも、中学生時期には適切な運動やスポーツが脳機能の発達もサポートすることを示すという見解を述べている。

 詳細な研究手法や分析結果の算出方法などは北海道教育大学Webサイトで公表されている。研究論文名は「Relationships among fitness, obesity, screen time and academic achievement in Japanese adolescents(日本人中学生における体力・肥満・スクリーンタイムと学業成績の関係)」。
《佐藤亜希》

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