2011年3月25日11時17分
東日本大震災の発生から約2週間、プロ野球の開幕問題が、ようやく決着した。セ・リーグもパ・リーグと同じ4月12日まで延期し、電力事情が厳しい東日本でのナイターを4月いっぱい自粛することになった。
セの開幕戦は、巨人―ヤクルト(宇部)、横浜―中日(横浜)、阪神―広島(甲子園)。巨人は当初から予定していた山口―北九州シリーズで開幕を迎える。1952年にフランチャイズ制が確立されて以降、巨人が地方球場で開幕戦を行うのは初めて。
開幕日は決まったものの、セ・パとも日程の再編成という難題が待ち受ける。広島の鈴木球団本部長は「翌日にデーゲームがある場合、ナイターの開始を午後5時としたり、移動が不可能なら3連戦の予定を2連戦に変えたりする可能性もある」と話した。日本シリーズの終了が12月になる可能性もあるという。
開幕までに日程があく期間を使い、12球団によるチャリティー試合の開催を検討している。当初の日程に沿って各球団が予約を入れている宿泊先や移動手段を生かして練習試合なども組む方針という。
高木義明・文部科学相の話 (セの決定を)評価する。選手の活躍が、被災者の共感を呼び、励ましになればと思う。
◆球団関係者の話
西脇球団代表(中) 「4月12日以外の案もあったが、総合的に考えた結果。こんな事態だからフランチャイズ(本拠)にこだわることはない。ナゴヤドームを貸すことも可能性としてはある」
沼沢球団本部長(神) 「セ・リーグ6球団の考えが一致したということ。1球団ずつ意見を言って、まとまった。日程の組み合わせなども、12球団一致して協力していこうということです」
清武球団代表(巨) 「選手が12月になってもやると言ったので、その覚悟に応えようということ。ベストの選択じゃないかもしれないが、選手の気持ちや政府の指導に沿うとなれば、これが唯一の解決策だ」
新(あたらし)常務(ヤ) 「選手の気持ちをくんだ。日程の作成は球場の問題もあるのでセ・パ協力して進めたい。(神宮球場での試合についての対応は)これからです」
松田オーナー(広) 「悲劇を体験した人たちの心情を考えたら、合理性ばかりではいけない。開幕延期の決定はしょうがない」
笹川取締役(横) 「選手会の思いを聞き入れるなら4月12日のセ・パ同時開幕しかなかった。こういう時だから同時にやるしかないという選手の思いを強く感じた」
宮本・前日本プロ野球選手会長(ヤ) 「新井会長も言うように、選手会は(全日程を)最後までやり抜く覚悟で意思を統一してきた。被災された方、(計画停電などで)不便をされている方がたくさんいる中、元気に野球をやらせてもらうことに感謝しながらプレーしたい」
星野監督(楽) 「セ・パでルールが違うのは指名打者制くらいで、あとは同じ方がいい。選手会が一番ホッとしているんじゃないか。これで新井も、ヒットが打てるようになるやろ」
岡田監督(オ) 「それはやっぱり当然よ。常識よ。ボールも統一球になって、審判もセ・パ一緒になって、全部一緒になると言ってるのに開幕だけ違うってなあ。そやったら、最初からやっとかな」