セ・リーグ白旗 巨人軟化で4・12セ、パ同時開幕

[ 2011年3月25日 06:00 ]

<セ・リーグ緊急理事会>会見する新セ・理事長、阪神・沼沢本部長、巨人・清武球団代表、中日・西脇球団代表(左から)

セ・リーグ臨時理事会

 セ・リーグが完全に降伏。4・12セ、パ同時開幕が決まった。政府からナイター自粛と開幕日の再延期を求められていたセは24日、都内で臨時理事会を開き、4月12日への開幕再延期と東京電力管内で4月中のナイター自粛を決定。延長規定も9回打ち切りをパ・リーグ同様3時間30分を超えて新しいイニングに入らないと変更した。

 日程は26日の臨時オーナー会議でパとともに承認を得る。強行派の巨人が軟化し、選手会の要望を全面的に受け入れてセの開幕問題は決着した。

 会見に臨んだセ6球団の理事の表情は一様に険しかった。迷走の末の4・12セ、パ同時開幕。11日に起きた東日本大震災から2週間、本来なら開幕前日のはずだったこの日にたどり着いたのは苦渋の結論だった。

 冒頭、新(あたらし)純生理事長(ヤクルト球団常務)は「球界一体で144試合の支援試合を行うために決めた」と前置きして(1)選手の気持ちを酌んで開幕は4月12日(2)文部科学省の再要請に従って東京電力・東北電力管内での4月中のナイター自粛(3)交流戦も含めてパと一致させるため試合時間3時間30分を超えて新しいイニングに入らない――を発表。新理事長は「6球団一致した意見になった」と付け加えたが、それはかたくなに同調を拒んできたパの開幕延期日と節電策(17日発表)と同じだった。

 セは本拠地6球場に被害がなく「やれる試合はやろう」の理念から17日に予定通り25日開幕を発表。そこから批判が殺到し、18日に文科省のナイター自粛要請が届く。19日に決めた29日への開幕延期と「減灯ナイター」などの節電策は、文科省幹部とすり合わせたはずなのに、21日に蓮舫節電啓発担当相らにダメ出しを食った。選手会も4・12同時開幕を要求。ファンの声は高まり、高木文科相に「国民の理解を得られない」と言われた。強行姿勢を貫く巨人も再延期に同意せざるを得ない状況だったのだ。

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2011年3月25日のニュース