AlphaGoの驚きの一手で横歩取り戦での▲7七歩を連想

AlphaGoと李世ドル九段の対局、1〜4局を中心に観戦させていただいた。

私のように囲碁の棋力は低いものでも、石田先生や高尾先生の解説のしゃべりかたで、かなりのことが伝わってくる。

第2局の時だったかと思うが、「これは筋が悪いですね」「これでうまくいくとは思えない」と高尾先生が解説されていたAlphaGoの打ちかたから連想したことがある。

昨年の電王戦FINAL第4局で▲Ponanzaが△村山慈明七段との相横歩取りの△7六飛に対して▲7七歩と打って、▲3六飛と引いた指しかたである。

あの時はほとんどの棋士が今回の高尾先生のような印象を持ったのではなかっただろうか?

▲7七銀や▲7七桂が良い形、▲7七歩は悪形。
将棋の棋士ならば、修行時代からしみついている。
悪い形が指しかたによって良い形に変貌するというPonanzaの例外だった。

今回は囲碁ソフトAlphaGoも、人間が悪い形と感じる形から、後の打ちかたによって良い形に変貌するという手をいくつも打ったんだなぁと感じながら観戦させていただいた。

将棋ソフトの新発想は将棋界に戦術の変化などの影響を与えてきた。これからも流行や、棋士の戦い方に影響をあたえるだろう。

では、囲碁の定跡や考え方はこれからどうなるのだろうか?
見る囲碁ファンのひとりとして、とても興味深い。