韓国Samsung Electronicsは現地時間2016年1月28日、2015年第4四半期(2015年10~12月)の決算を発表した。韓国採択国際会計基準(K-IFRS)に基づいた連結決算は、売上高が前年同期比1%増の53兆3200億ウオン、営業利益が同16%増の6兆1400億だった。

 純利益は前年同期比40%減の3兆2000億ウオンだった(米PCWorldの報道)。同社は、純利益が前期(2015年7~9月)の5兆4600億ウオンから大きく減少したことについて、ITおよびパソコン市場の全般的な需要低迷により、DRAMやLCDパネルなど部品事業が影響を受けたと説明した。

 部門別の業績を見ると、モバイル端末とネットワーク製品を扱うIT & Mobile Communications(IM)部門は、売上高が25兆ウオンで前年同期比5%減少した。同社はスマートフォンの詳しい出荷台数を示していないが、「前期を下回った」と述べ、理由の1つとして「年末の在庫調整」を挙げた。また、低価格の中~下位モデルが中心となったため売上高も低下した。タブレット端末は、季節的要因により出荷台数と売上高とも前期から増加した。

 半導体事業とディスプレイパネル事業を含むDevice Solutions(DS)部門は、売上高が19兆7400億ウオンで前年同期比11%減少した。半導体事業は13兆2100億ウオンで同24%成長したが、ディスプレイパネル事業は6兆5300億ウオンとなり同7%減少した。

 テレビやデジタル器機を手がけるConsumer Electronics(CE)部門の売上高は、前年同期比3%減の13兆8500億ウオンだった。

 なお米Wall Street Journalは半導体事業の減速を指摘している。同事業の営業利益は前年同期比4%増の2兆8000億ウオンにとどまり、2015年の四半期業績のうち最も引くい数値だったという。

 Samsungは今後について、「2016年は困難なビジネス環境とIT需要の軟化により、利益維持が厳しくなるが、完成品事業では季節的需要の勢いを利用し、部品事業では製品の多様化を図ることで、後半の業績改善を目指す」と述べた。

 モバイル部門では、2016年第1四半期もスマートフォンの出荷減速が予測されるが、ミッドレンジの新モデル「Galaxy A(2016)」をはじめ、多様な製品をリリースすることで売上高と利益の安定を図るとしている。また、ハードウエアだけでなく、サービス、ウエアラブル製品、ソフトウエアの競争力向上にも注力するとしている。

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